日本国内で、まだ食べられるのに廃棄される食品は、年間でおよそ646万トン。これは、国連の食糧支援機関WFPによる年間食料援助量の約2倍に匹敵する。
最近になって、こうした「フードロス」を削減しようとする取り組みが官・民ともに増えている。特に2018年は「フードシェアリング元年」と呼ばれているそうで、フードシェアリングをキーワードとした民間企業のウェブプラットフォームが幾つか立ち上がっている。
今回の記事では、その先駆けとなる3つのサービスを紹介したい。
■『TABETE』(株式会社コークッキング)
ベーカリーやレストランなど中食・外食事業者が、閉店時にどうしても発生させてしまう売れ残りや余った食材。消費期限が当日いっぱいであれば、そのまま廃棄される運命にある。
このフードロスを削減しようと生まれたのが『TABETE』。2018年4月29日に都内限定で正式オープンしている。基本的な仕組みは、『TABETE』に登録したお店が、フードロスを出してしまいそうなときに、対象の商品・メニューを割安価格にて告知。それを見たユーザー(食べ手)が来店して、テイクアウト用に詰めた品を引き取る(「レスキューする」)というマッチングサービスの形式。
購入代金の決済は、(お店のレジでなく)『TABETE』上でクレジットカードにて前払いされる。なお、会員費といった別料金は発生せず、食べ手の負担は純粋に購入代金のみとなる。
具体的な購入手順を説明すると、まず『TABETE』トップページに掲載されている登録店をチェックし、メニューをディスカウント提供しているお店を探す(常に全てのお店がレスキューを求めているわけではない)。
多くのお店が掲載されている『TABETE』のトップページ(一部)
その店のセクションをクリックすると、詳細画面へと移る。
詳細画面には、ディスカウント提供されるメニュー・商品が、提供価格や引き取り時間帯などとともに記されている。ここで、引き取りに行く時間と購入数を決め、決済を行う。あとは、そのお店に赴いてレスキューする。
本記事を書いている6月初旬の時点では、登録店は120店余りでオープンからどんどん増えている。ただ、レスキューを求めるお店は意外と少なく、夕方頃になって数店が手を挙げるくらい。登録することで、食材仕入れ量を調整するなど、フードロスを出さない方向へ意識が向いているせいかもしれない。