モーターのスイッチ・オン。レコードが回り出す。本体のスイッチ・オン。ジーというメカニカルな音とともに超音波が発生する。1分後、自動的に超音波発生停止、音も止まる。モーターは手動でスイッチ・オフ。ブラシを緩めて、レコードをタンクから取り出す。左右逆にして、同じことを繰り返す。繰り返す必要があるかどうかは不明だが、僕はこのように1分ずつ2回、洗浄することにしている。2回目が終わったら、レコードを取り出し、テーブルに置く。片面についた水をクロスで拭き取る。レコードをひっくり返して、もう一方の面の水を拭き取る。レーベルカバーを外して、レーベル外側(レコード内側)に残った水を拭き取る。レコードを軸から外してひっくり返し、反対面のレーベル外側に残った水を拭き取る。目に見えないレベルでの水分が残っているはずなので、乾燥台にレコードを立てる。以上で作業は完了。20枚洗って、所要時間は2時間くらいだ。
動画キャプ 洗浄中の動画。
メーカー製のレコード乾燥台は、11枚用で税抜5000円だ。僕はヤフオクで個人が自作した乾燥台を売っているのを見つけて購入、2000円以下だったと記憶する。ちなみにK君は100均で買った、洗った皿を立てる台を使っている。
新規購入中古レコードがある程度たまると、こうしてレコードを洗う。面倒と言えば面倒だが、僕にとっては儀式でもある。この作業をしていると自分が相当なレコードマニアであるという妙な自意識が湧いてきて、洗い終わるとちょっとした達成感を覚える。真っ当な人にはクリーナー液洗浄で十分かとも思うが、世にはこんな酔狂な道楽者もいるということを、酒の席の肴にでもしていただければ幸いだ。
文/斎藤好一(元DIME編集長)。