■体臭も臭くなる?梅雨時期のスーツ・シャツ臭の対処法
梅雨時期には、スーツやシャツも臭くなりやすい。細菌のエサになる汗や皮脂などが極めて豊富で、これらが酸化分解され、体臭(不快臭)を発生する。
【対処法】
・スーツは帰宅後すぐにハンガーに干し、通気性の良いところに置く。ブラッシングをして埃を落としておこう。できれば、埃を取った後に裏返してハンガーに掛けることを勧める。
・ちなみに、アイロンのスチームをかけたり、浴室でバスタブにお湯をためて一定時間つるしておいたりすると、ニオイが取れやすくなるという説がある。確かにこの方法は、たばこ臭、食べもの臭が衣類の外側に付着した場合に有効性がある。しかし、細菌によってニオイが作られる場合は、絶対にやってはいけないことである。細菌の活動を活発化させ、ニオイの発生を加速させてしまう。
・シャツは、ニオイがしたら酸素系漂白剤で洗濯するのがいいが、会社などでニオイが気になるなら、シャツ用ミストを使う方法もある。ただ、きれいなシャツに取り替えるのが一番。また、ニオイが発生しないために汗をこまめに拭き取り、放置しないことが大切だ。
※より効力の強い塩素系漂白剤も使用できるが、使用に関しては注意事項を守り、万全を期することが必要。
岩橋特任教授によると、ニオイ対策の共通項は「湿気(水分)とエサ」をいかにして除去するかだという。それによって細菌の活動・増殖を抑制できれば、ニオイの発生は必ず軽減できるそうだ。
梅雨には普段、ニオイが気にならない部屋の各所や衣類などのニオイをチェックし、万全の対策を立てよう。
監修
岩橋 尊嗣氏(工学博士)
新エポリオン(株)常務取締役を退き、2014年から大同大学かおりデザイン専攻教授、2017年から同大学特任教員として現在に至る。専門は「室内外の臭気対策に関する研究」。公益社団法人におい・かおり環境協会 理事、学会誌編集委員長、臭気対策アドバイザーを兼務。
取材・文/石原亜香利