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東京下町の魅力再発見!おとなのデートコース「柳橋」

2018.06.16

【柳橋】明治新政府は、徳川の時代の終わりを庶民に知らせるため、町名を変え、江戸城を皇居に変え、「江戸」を別の町「東京」として生まれ変わらせました。ですから、東京っ子は、420年の歴史を持つ古都に住むわりに、歴史を感じることがありません。が、よく見れば、東京には今も随所に江戸が残っています。蔦屋重三郎が1802年に葛飾北斎の絵で出版した「画本東都遊」になぞらえ、下町に残る江戸を紹介します。こちらを参考に、ぜひ下町歴史探訪にお出かけください。

【 柳橋 】

柳橋

 柳橋とは、神田川が隅田川に流れ込む河口に架かった橋の名前。ここに最初に橋が架けられたのは1698年(元禄11年)。今の鋼鉄製のアーチ橋に架け替えられたのは1929年(昭和4年)。だが、柳橋の名は、幕末から昭和にかけて、橋の名前としてより、橋の北側に広がる花街の名として天下に知られていた。

 柳橋のたもとに花街が形成されたのは、江戸末期、吉原と並び称された深川の花街が「天保の改革」でとりつぶされ、多くの深川芸者がここに移り住んで来てから。最盛期の1928年(昭和3年)には、料亭・待合62軒が軒を連ね、芸妓366名が在籍。新興の新橋とともに「柳新二橋」と称されていたという。新橋の客がカタブツの役人だったのに対し、柳橋の客は、近くの日本橋問屋街の遊び慣れた旦那衆だったため、街全体が新橋よりはるかに粋で華やかな雰囲気だったそうだ。

 が、そんな柳橋も、隅田川岸に洪水対策として高さ5mの「カミソリ堤防」が築かれ、川と料亭が完全に遮断されてしまった1975年以後は、衰退の一途。1999年には、最後の料亭『いな垣』が店を閉め、200年におよぶ花柳界の歴史に幕を下ろした。柳橋の料亭は、客足が落ちても、一見さんお断りの姿勢を崩したり料金を下げたりせず、最後まで高い格式を守り通し、それは見事な幕引きだったという。

 続いては、そんな誇り高き旧・花街、柳橋を歩いてみよう。

 待ち合せはJR総武線・浅草橋駅。駅のすぐ北には、銀杏岡八幡神社(MAP 1)という、「ザ・ジンジャ・オブ・ジンジャ」とでも呼ぶべき美しいたたずまいの神社がある。その名の通り、庭に立派なイチョウの木があり、紅葉の季節はさらに風情を増す神社だ。

 浅草橋駅から蔵前に向かって伸びる江戸通りは、昔ながらの人形問屋街。今も「久月」(MAP 2)「秀月」「吉徳」といった老舗が店を構えている。数多く並んでいる雛人形。2人で人形を見ながら彼女の少女時代の思い出を訊き出せば、恋が進展すること、請け合いだ。

 また、浅草橋駅周辺は、1990年代に起こったビーズ・ブームに乗って100店近いビーズ専門店が集まった日本一の「ビーズ街」。中でも、浅草橋だけで3店舗を構える「貴和製作所」の本店(MAP 3)では、3万点に及ぶビーズの中からお気に入りのものを選び、店内のアトリエで、世界に一つだけのアクセサリーを作ることができる。女性はぜひお試しを。

 続いて、神田川沿いの道を歩いてみよう。

 江戸末期、日本橋の旦那衆にとっては、柳橋の料亭でひと騒ぎした後、隅田川沿いの「舟宿」から舟に乗って川を上り、日本堤で上陸して、吉原で一夜を過ごすというのが、遊びの定番コース。柳橋は吉原遊郭の玄関口の役割を持っていた。が、隅田川沿いが堤防でふさがれた今、舟宿が残っているのは神田川沿いだけ(舟宿とは、舟と待合所を持つ店のことで、宿屋ではありません。念のため)。神田川いで今も営業を続ける舟宿は、「小松屋」「田中屋」「あみ春」「あみ新」「井筒屋」「鈴木屋」「三浦屋」「野田屋」の8店。どの店も、舟は15名以上の貸し切りが基本だが、「田中屋」と「三浦屋」の2店は、金・土・日・祝のみ、乗り合い(1人1万円)の舟も出している。

 川沿いの道を200mほど歩くと、鋼鉄製の柳橋に出る。今の橋は、夜のライトアップはいささか悪趣味だが、昼間は味のあるたたずまいで、欄干には、往時の花街を偲ぶ「かんざし」のレリーフが埋め込まれている。たもとには、江戸の面影を今にとどめる『柳ばし小松屋』(MAP 4)があるので、おみやげにどうぞ。 

『舟宿小松屋』

『舟宿小松屋』
1927年から続く舟宿。舟は台場フジテレビ前を巡る2時間半のコースが基本だが、3~4月には、向島の桜を見物するコースも。
◆電話:03・3851・2780 ◆住所:中央区東日本橋2-27-22

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