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東京下町の魅力再発見!おとなのデートコース「向島」

2018.06.10

 そして、この橋から水戸街道に向かって伸びる「桜橋通り」を少し歩くと、「見番通り」にぶつかるので、右に曲がると、「見番通り」の名前の由来となった「見番」(MAP 4)の前に出る。見番とは、「置屋」と「料亭」の間を取り持って芸妓の派遣を斡旋する組合事務所のことで、この街では「向嶋墨堤組合」と呼ばれている。事務所のガラス戸越しに見える、芸妓たちの名札を並べた見番台は、花街ならではの見どころだ。

 この「見番」を中心に、向島には15軒の料亭が散らばっている。街並みは「ショボい住宅街」だが、それぞれの料亭の店構えには独特の風情がある。ただしこの街を散策するなら、17時半過ぎに限る。どこの料亭もお座敷は18時から始まるので、その時間になると、料亭に出勤する芸妓衆の粋な和服姿が見られるからだ。

 また、「桜橋通り」の中央には、向島花柳界の象徴とも言える、1867年創業の誂え足袋の専門店「めうがや」(MAP 5)があるので、立ち寄ることを忘れずに。

 夕食は、元料亭を改装した『江戸蕎麦 僖蕎(ききょう)』(MAP 6)がおすすめだ。この店は、落ち着いた和モダンの内装の蕎麦居酒屋で、勘定は2人で飲んで食べても1万2000円前後。この界隈で最も安上がりに夕食を済ますことができる。

 財布にもう少し余裕があるなら、『平岡』(MAP 7)でフグかスッポンという手もある。この店、2012年に改装されたので店内がピカピカに新しいのが難点だが、とらふぐコース8500円、すっぽんコース9000円は、都心の店と比べると相当安い。店主は、向島の料亭で長年包丁をふるってきた料理人だそうで、向島の味を堪能したいのなら、ここだ。

 より料亭らしさを求めるなら、1929年(昭和4年)創業のお座敷天ぷら『花むら』(MAP 8)はいかがだろう。1960年代以前は「花街としては二流」と言われた向島を、政界御用達の一流の花街に押し上げたのは、この街の料亭を頻繁に利用した竹下登の「経世会」だそうだが、この店は、おそらく旧・福田派(今の細田派)の店だったのだろう。店内に福田赳夫の書が飾られおり、今でも政治家の客が多いと聞く。

 店内は、掘りごたつ式のカウンターを備えた広い和室が一室あるだけで、必ず相席を要求されるのでデート向きではないが、料金はコースで1人1万円と政治家御用達の店のわりには安い。しかも、食事を終えて店を出れば、目の前にはライトアップされたスカイツリーがそびえ立つ。

 彼女と行った場合、そこから人けのない料亭街を抜けて押上駅まで歩けば、チュウのチャンスはいくらでも。スカイツリーは上るより、ふもとの向島から眺めたほうが、チュウにははるかに有効である。

『江戸蕎麦 僖蕎』

『江戸蕎麦 僖蕎』
暗闇坂宮下』を経営する(株)僖蕎が、遠藤利三郎商店が向島の料亭を改装して2011年に出店したワイン・レストラン『葡萄亭』をさらに改装して出店した蕎麦居酒屋。
◆電話:03・6658・8462 ◆住所:墨田区向島5-27-10 ◆11:30〜22:00 L.O.  無休

『花むら』

『花むら』
1929年開業。83年の歴史のあるお座敷天ぷら。ホスピタリティーのよさはさすが。
◆電話:03・3622・0592 ◆住所:墨田区向島5-35-21 ◆11:30〜21:00 日祝休

取材・文/ホイチョイ・プロダクションズ

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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