■絵心はゼロでもイラストは描ける
アートとは縁遠い職種に就いていても、「ちょっとしたイラストが描けたら……」と感じる場面は多い。例えば、ホワイトボードで新製品のコンセプトをプレゼンするとき、ブレインストーミングで自分のアイデアをビジュアル表現する時、パワーポイントの企画書にワンポイント画像を添えたいと思った時など、いろいろあるだろう。プライベートでも、SNS映え強化の手製イラストや暑中見舞いの風鈴の絵など、自作のイラストで相手に好印象を与えるチャンスは結構ある。
こんな時に、「自分には絵心がないから……」と諦めてしまうのは早計だ。最近は、絵心ゼロを自認する人向けの独習テキストがいろいろと出ており、ちょっとのモチベーションと隙間時間さえあれば、最低限のイラスト(デッサン)は描けるようになる。今回はそうしたテキストの1冊『線一本からはじめる伝わる絵の描き方』(OCHABI Institute著/インプレス刊)から、そのエッセンスをちょっと紹介してみよう。
■奥行き感のあるショートケーキを描く
下の画像は典型的なイチゴのショートケーキ。これを「奥行きを保ったまま描く」と考えただけで尻込みしてしまうかもしれない。
でも、心配は無用。まずは、「身の回りにあるもののほとんどは、〇(丸、円)、△(三角)、□(四角)といったシンプルな図形を組み合わせて表現できる」という点をおさえておこう。それをふまえて、最初にケーキの上の面(三角)を描いてみよう。
真上から見た場合は、ほぼ二等辺三角形だが、これに奥行きを与えるので、手前の長辺を描いたら、それより少し短く奥側の長辺を描いて、最後に短辺をつなげる。
次に側面を描く。このとき平行四辺形を意識する。
2本の垂直線をそれぞれ同じ長さで描き、最後に底面の線を描く(それぞれ平行になるように)。
デコレーションを描き加えれば、もう完成。
上にのっている飾りは垂直を意識し、サンドされている部分は底辺と平行を意識して描く。