■報連相をしない部下を報連相好きにするポイント
上司にとって仕事を進める理想的な環境が手に入る報連相。なかなか報連相をしない部下が頻繁にしてくるようにするための方法はないものだろうか。
「人が行動を起こす動機は大きく2つに分けられます。ひとつは『快楽を得たい』、そして、もうひとつは『苦痛を避けたい』という動機です。あなたの部下は、どちらのタイプですか? 部下のタイプによって、対策が異なります」
●部下が「快楽を得たい」タイプの対策
「もし快楽を得たいタイプならば、報連相をするメリットを伝えるのがおすすめです。例えば、報連相がきちんとできたら、次の3つのメリットが得られることを伝えます」
1.仕事の効率がアップする
報連相のおかげで、仕事を進める上で前提となる基本認識が関係者の間で共有でき、無駄なやりとりが減って仕事のスピードがアップ。その結果、効率よく仕事が進むようになる。
2.人間関係がよくなる
報連相のおかげで「言った言わない」が減り、円滑なコミュニケーションができるようになり、信頼し合える良好な人間関係の中で仕事ができるようになる。
3.のびのびと仕事に取り組める
報連相のおかげで上司は、部下である自分に安心して仕事を任せることができ、いちいち細かい指示をしなくてすむようになる。その結果、部下である自分は思い通り、のびのびと仕事に取り組めるようになる。
「『快楽を得たい』が行動の原動力となる人は、自分のメリット、得になると思ったら、積極的に報連相してくれるでしょう」
●部下が「苦痛を避けたい」タイプの対策
「もし部下が苦痛を避けたいタイプなら、報連相をしないデメリットを伝えるのがおすすめです。例えば、報連相がきちんとできなかったら、次の3つのデメリットが発生することを伝えます」
1.取引先、上司からの評価が下がる
報連相を怠ると、仕事を進める上で必要な基本認識の共有が行われず、仕事が非効率になるだけでなく、重要事項の相談漏れなどで、取引先や上司の信頼が失われてしまい、評価が下がる。
2.問題が悪化、長期化する
組織に大きな損失を与える可能性のある問題が発生したときに報連相を怠ると、問題の悪化、長期化で取り返しのつかない事態を招いてしまう。
3.困ったときに助けてもらえなくなる
報連相を怠ると、自分が置かれている状況を周りが把握できないため、困ったときに相談しても、聞いてもらえなかったり後回しにされたりして、周りの助けを上手く借りることができず、問題が大きくなってしまう。
「『苦痛を避けたい』が行動の原動力となる人は、自分のデメリット、損、苦痛を避けることができると思ったら、積極的に報連相してくれるでしょう」