■撮影実行
解説だけでは不十分だから、実際に撮影してみよう。
今回は今年中に販売が終了する富士フィルムの『ネオパン 100 ACROS』を使用。筆者とは別に、カメラマンとモデルを用意している。カメラはCONTAX N1。
都内での撮影だが、この日の午前中は曇り空。午後からは強い雨が降った。使用フィルムのISO感度は100。曇天時にはあまり適していない。そのため、三脚を用いた低速シャッター撮影で対応した。
まずは、この写真。モデルの着ている白いTシャツが際立って写っている。一方で肌の微妙な濃淡もちゃんと表現されている。髪の毛の1本1本や背後の木からの伸びる葉の表面など、スマホ内蔵のカメラに慣れ切った人から見れば非常に新鮮な描写ではないだろうか。
こちらの写真も、スマホのデジカメではなかなか表現できないかもしれない。手前は暗く影が差し、フェンスの向こうから光が差しているという構図。モデルの上半身はシルエットのようになっている。しかしこちらも、モデルの頭髪やフェンスの網目、背景の建物に至るまで余すことなく緻密に描写されている。