■8両編成の前後2両を5ドア車とした20050系
営団地下鉄では、ラッシュ時の混雑緩和と列車の遅延防止を目的に、1990年9月、03系5ドア車が登場した。8両編成の前後2両を5ドア、ほか4両を3ドアにしたもので、ラッシュ時の乗降時間短縮に貢献。1993年4月末まで20編成を投入した。
03系5ドア車に倣い、20050系の先頭車に「5DOORS」のステッカーを貼付。
一方、東武も前後2両を5ドアにした20050系が1992年11月に登場。12 月10日から公式試運転を開始したのち、12月29日にデビューした。
この車両は行先表示器を幕式から3色LED式に、制御装置をAFEチョッパ制御からVVVFインバータ制御に変更。車内の化粧板は明るい色調となり、一般席のシートモケットもグリーンからブロンズ系とし、落ち着いた雰囲気を醸し出す。また、2・7号車に車椅子スペース(のちに車椅子兼用のフリースペースとなる)も設けられた。
一部の乗降用ドア上には、旅客情報案内装置を新設。当時は“画期的”といえたLCDを採用した。乗務員らしきキャラクターが乗客に一礼をするアニメーションなど、鉄道車両にとって新時代の幕開けを予感させたが、劣化が早く、短命に終わってしまった。のちに、50000系グループに準じたLEDが設置された。
このほか、03系で採用されたドアチャイム、車外スピーカー、乗降促進ブザー、自動放送装置をそれぞれ搭載。その後の東武通勤形電車では、これらが標準搭載となる。
20050系の投入により、2000系の置き換えを完了。さらに輸送力増強用として増備が続き、1994年8月まで8編成を投入した。
■再びオール3ドア車にした20070系
日比谷線第2世代車両では、最後の新型車両となった20070系。
伊勢崎線草加―越谷間の複々線及び、北千住駅改良工事の完成に伴い、さらなる輸送力の増強が必要になり、1996年12月に20070系が登場した。20050系をベースに、オール3ドア車にした。
車内の旅客情報案内装置は、LCDから30000系と同じデザインのLEDに、パンタグラフも下枠交差式からシングルアーム式にそれぞれ変更された。
1996年12月20日から公式試運転を開始したのち、1997年3月25日のダイヤ改正にデビュー。20000系グループ最少の3編成を投入した。なお、1度も増備されておらず、20000系グループは計24編成が出そろった恰好だ。