【一世を風靡した懐かしのデジタルオーディオプレーヤーの歴史を辿る】
インターネットによって世界とつながり、新たなテクノロジーが未来を感じさせてくれた。続々登場する新製品に、わくわくしっぱなしだった1990年〜2000年代。心から憧れ、物欲をかき立てられた懐かしのガジェットを、専門家と愛好家が振り返る。
懐かしのガジェット大図鑑【 デジタルオーディオプレーヤー編 】
CDなどのパッケージから配信サービスからのダウンロードへ移行する中、コンパクトなプレーヤーで大量の音楽を持ち歩く時代が到来。
◎どれだけたくさんの曲を持ち歩けるかが重要だった
法林 ポータブルオーディオは、カセットテープ、CD、MDと登場、90年代後半からいよいよメモリー型の時代になるんだけど、一筋縄ではいかなかった。PCではMP3が定着しつつあったけど、日本のメーカーは著作権の問題もあって、かなり慎重だったからね。
太田 ソニーの『メモリースティック ウォークマン』も当初は、著作権が保護される「MagicGate」対応のメモリースティックしか使えず、記録方式もATRAC3だけとガチガチのしばりでした。
法林 そんな中、徐々にMP3プレーヤーが人気を集めるようになって、いよいよ大容量ハードディスクにスクロールホイールを搭載し、1000曲を持ち運べる『iPod』が、登場する。
太田 その後も、『GIGABEAT』とか、しばらくは大容量のプレーヤーが流行りましたよね。
法林 あの頃は、どれだけたくさんの曲を入れて持ち歩けるかが、重要だったからなぁ。
太田 それが今じゃ持ち歩かず、音楽配信で聴き放題が当たり前なんだから、びっくりしますよね。
[1999年]メモリースティックに音楽を記録するウォークマン
ソニー『メモリースティックウォークマン NW-MS7』4万5000円(発売当時)
メモリースティックに保存したATRAC3形式の音楽ファイルを再生できる。専用の転送ソフトを使って、音楽配信サービスやCDから曲を取り込めた。
メモリーを内蔵した『ネットワークウォークマン』も登場。
2001年発売の『NW-MS11』もメモリースティックを使用。
〈 太田’s Comment 〉独自規格が多かったソニー。高性能だが汎用性に乏しく、後手に回ってしまった印象です。