モノが売れない時代といえど、ヒット商品はしっかり誕生している。そこに情熱みなぎる〝イタンジスタ〟がいるからだ!
◆売れないと言う上司に〝あなたの年齢がターゲットじゃない〟と一言
明治 菓子マーケティング部 カカオ戦略グループ長
佐藤政宏さん
1972年生まれ。1996年明治製菓入社。16年間量販店などの営業活動でキャリアを積んだ後、2012年よりマーケティング部へ。今春から現職。
《 2倍の価格なのに……5000万個販売!》
明治『明治ザ・チョコレート』
しゃれたタテ型パッケージ。世界各国のカカオ豆を生産管理して使用。オキテ破りの丁寧な作りで、220円前後と一般的な商品の2倍の価格ながらパッケージリニューアル後、累計5000万個も販売する新定番。現在は8つの味で展開。
「失敗からのリスタートでした」
クラフト紙でできた瀟洒な箱を向け、佐藤政宏さんは言った。箱に『THE Chocolate』とある。
「最初は2014年。ワインのようにカカオ産地や種類からこだわった本格チョコブランドを立ち上げた。価格も従来の2倍の220円にして」(佐藤さん・以下同)
初速は良かった。が、すぐ失速。理由はひとつ。高級品とコンビニ市場。2極化した日本のチョコ市場の間を埋めるこれまでにない商品を作ったのに「タレントCM」「『焙煎』『発酵』の文字がおどる説明的なパッケージ」と旧来型のマーケティングに終始していたからだ。
「感度が高く、こだわりを持つ方々を対象に考えていたのに、違うよねと」