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予備登録の35人発表直前!ロシア本大会メンバー23人はサプライズなし?

2018.05.09

【MF=7人:長谷部、山口、井手口(三竿)、大島、本田、香川(清武)、森岡(柴崎)】

 中盤も選考は難しいが、長谷部誠(フランクフルト)と山口蛍(C大阪)の両ボランチは確定。長谷部はフランクフルト同様に、リベロでもプレーも考えられるだけに、今回の西野ジャパンの軸を担う存在。ブラジル経験者の山口もキーマンの1人と見ていい。

 ボランチのバックアップは新指揮官がわざわざ視察に赴いた井手口が有力。そこに3月のマリ戦(リエージュ)で同点弾をアシストした成長株・三竿健斗(鹿島)を抜擢する手もあるが、2017年8月のオーストラリア戦(埼玉)で豪快な一撃をお見舞いした井手口への期待と信頼は厚い。コンディションも大会直前にしっかり上げれば問題ないという見方もあるだけに、今回は井手口を推したい。

 ボランチのラスト枠は攻撃的な役割も担える大島僚太(川崎)。彼はここまで要所要所でケガを繰り返してきたが、ボール扱いやパス出しのセンス、球際の強さなど世界で戦ううえで必須な要素を兼ね備えている。そこは大きな強みだろう。

 トップ下枠は本田圭佑(パチューカ)、香川、森岡亮太(アンデルレヒト)の3人か。ここの絞り込みも困難を極めるが、香川と清武弘嗣(C大阪)がケガで計算が立たないことから、できるだけ好調な選手を入れておきたいところ。本田はメキシコリーグが早々と終わり、試合勘の不足は懸念されるものの、コンディション自体はフレッシュ。過去の経験値を踏まえてもやはり入れるべきだ。

 森岡もベルギー1部で13ゴールを挙げるなど絶好調。アンデルレヒトではフィニッシャーとして新境地を開拓しており、2シャドウや2トップの一角でも起用できるかもしれない。西野監督はわざわざ柴崎岳(ヘタフェ)のところに出向いていて、森岡よりも高く評価している様子が伺えるが、苦戦を強いられる欧州組の中で希望の光になっている旬の男を呼ばない手はない。場合によっては香川を外して柴崎というアイディアもあるが、新指揮官は大胆策を取れるだろうか…。

【FW=6人:大迫、杉本(岡崎、武藤、小林)、原口、中島(乾)、宇佐美(久保、堂安、南野)、浅野(永井)】

 FWは西野監督が最も頭を悩ませるポジション。ハリル時代から絶対的1トップに君臨した大迫勇也(ケルン)は当確。左サイド要員の原口元気(デュッセルドルフ)も問題なく選ばれると見られる。

 それ以外は大混戦。右サイドに関しては久保裕也(ヘント)と浅野拓磨(シュツットガルト)がこれまでの主力で、それ以外に南野や堂安、国内組の伊東純也(柏)らが有力候補となっていた。宇佐美貴史(デュッセルドルフ)もクラブで右サイドを担うことが多く「左右両方を同じレベルでこなせる自信がある」と本人も自負する。その宇佐美を高く買っている西野監督はトップ下に据えるプランも用意しているというから、宇佐美がファーストチョイスになりそうだ。

 となると、宇佐美と同じドリブラータイプの堂安は厳しくなる。若くフレッシュな力は今後の代表を考えても可能な限り入れておくべきだが、西野監督はそこまで余裕がない様子。南野の滑り込みも含め、サプライズ選出の可能性は低い模様。

 右サイドのもう1枚は、左にドリブラー&フィニッシャーの中島翔哉(ポルティモネンセ)を呼ぶことが有力視されるため、彼らとは違ったスピードタイプが必要。久保は所属クラブでセカンドトップに入っていて、中央でプレーする方がベター。スピードタイプでもない。つまり、浅野か永井謙佑(FC東京)あたりから選ぶことになるはずだ。永井も最近のJリーグでは躍動感に満ち溢れているものの、西野監督は井手口と同じ理由から浅野を抜擢するのではないか。

 最後にトップのもう1枠だが、岡崎、武藤嘉紀(マインツ)、小林悠(川崎)と複数の選択肢がある中、高さという部分を買って杉本健勇(C大阪)を推したい。セネガルなど高さのある相手をマークできる190cm近い長身選手はやはり複数ほしい。攻撃を重視するのなら、より得点力のある岡崎や武藤を入れた方がいいが、今回の日本は守備第一。リスタートを含めた高さ対策も考えなければならない。そうなると、杉本という選択にならざるを得ないのだ。

 果たして、この23人は的中するのか否か。まずは14日の予備登録リストを待ちたい。

時間が無い、勇気も無い、画期的な戦略も無い…で新生JapanはブラジルW杯とあまり変わらないメンバーに落ち着くのか!?

撮影/藤岡雅樹(小学館・写真室)

元川悦子<もとかわ えつこ> 
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

■連載/元川悦子「ロシア戦記」

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