世界的に高評を得るグランドセイコー。今年、その専用ムーブメントのひとつ「9Fクオーツ」が誕生25周年を迎えた。時計の美しさはもちろん、高い精度が生む信頼性は、私たちの物欲を刺激する。
◎高い精度と美しい姿態。才色兼備な腕時計の象徴
グランドセイコー(以下GS)は1960年、国産機械式腕時計の最高峰を目指して誕生した。しかし、1969年にセイコー自らが世界初のクオーツウオッチ『アストロン』を発売すると、クオーツの圧倒的精度を前に機械式時計は世界的に下火となり、スイス時計と同様、GSも長い沈黙の期間を余儀なくされる。
転機は1988年。高精度年差を搭載してGSが復活。5年後の1993年にはさらなる究極を求めて、専用のクオーツ・ムーブメント「キャリバー9F」を搭載したGSが完成する。
9Fの魅力は高い精度だけでなく、機械式にも劣らない高い視認性と美観にある。それは外装のみならず、一般的なクオーツでは不可能だった長く太い針を回せるモーターや、秒針のふらつきを軽減する機構を搭載することで美しくスムーズな運針を実現し、以後、9Fは高評を獲得し続ける。
25年の歳月で培われた信頼とクオリティー。9F搭載モデルは、物欲をかき立てるのに十分な魅力を備えている。
■オリジナルを踏襲した「9F」25周年記念モデル
【2018】
グランドセイコー『キャリバー9F 25周年記念 限定モデル SBGT241』35万円
「キャリバー9F」を初搭載した1993年モデルを踏襲しながら、ケース径を当時から約2mm拡大するなど、現代的アップデートが図られた記念限定モデル。ダイヤルには「GS」「9F」のパターン、裏ブタには25周年の文字が施される。ケース径39.1mm。世界限定1500本。
【1993】
グランドセイコー『9F8』