■中高年のための健康講座(11)
この記事は、ある日突然心臓弁膜症が発見され、あれよあれよという間に手術を受けることになった筆者の実体験です。病気の発見から手術する病院を決めるまで、術前検査や入院生活、術後のリハビリと日常生活について、ありのままに書いています。
*手術は2002年末
No.1 病気の発見から病名確定まで
No.2 手術までの経緯
No.3 手術。治療後の日常生活
■大学病院の診察
大動脈弁閉鎖不全症(弁膜症)の診断を下した中規模病院の対応や体制に疑問を感じたため、別の病院を探した。本当に経過観察でいいのかも慎重に判断してもらうべく、セカンドオピニオン的な意味もあった。
最悪(手術)の場合も考え、心臓外科と麻酔科があり、心臓手術経験豊富(年間100例以上)なことを前提に、一刻も早く今後の治療方針も知りたかったので、予約不要で即日受診できるところに絞った結果、ある大学病院がヒット。紹介状と資料を手に入れてすぐに向かった。
担当は循環器内科だった。予約不要なだけに待ち時間はかなり長い。最初の手続き終了から診察に呼ばれるまでおよそ3時間。医師はまず聴診で胸の音を確認。確かに弁膜症特有の雑音があるものの、資料(心電図や胸部レントゲン)を見る限り深刻な事態ではなさそうといいつつ、以下の検査をオーダーした。
・ホルター心電図
携帯型の心電図計を24時間体に装着。通常の生活を送りながら、どのように心電図が変化するか克明に記録する。解析まで1週間ほどかかる。
・心臓超音波検査
超音波(エコー)による検査。心臓の大きさや形、壁の厚さ、動き方のほか、カラードップラーという血液の流れる速度を色分けする機能により、より鮮明に逆流を確認することができる。
・心音図検査
特別な無音室の中で心臓の音を計測し、波形にして記録する。弁膜症の場合、その波形が特長的なものになる。