美容師との会話が苦手で、美容室に足を運ぶのがおっくうになっている人はいないだろうか。美容師との話を弾ませるためのテクニックや心得、そして苦手意識をなくすためのコツを会話術のプロに聞いて紹介する。
■美容師との話やすさ・会話の楽しさは特に女性にとって重要
株式会社リクルートライフスタイルの調査研究機関ホットペッパービューティーアカデミーが実施した「美容室・理容室の利用に関する実態調査(2017年上期)」によると、美容室利用者のうち、「サロンを変えたり、リピートしなかった理由」として、女性は4位に「スタッフと話しにくい、会話が楽しくない」が9.1%でランクイン。また、男性はスタッフとの話については10位以内には入っておらず、10位に「スタッフの気遣いや対応が良くない」が4.7%に入っていた。
これらのランキング結果を見ると、美容室を選ぶ要素としては、美容師とのコミュニケーションがどうであっても、「ヘアスタイルが希望通りになるかどうか」「料金」「スタッフの技術の高さ」のほうが、優先事項になることが分かる。
しかし、特に女性の場合、「楽しくスタッフとおしゃべりできたかどうか」も重要な要素になるようだ。
確かに女性のほうが、髪が長いことが多く、シャンプーやカット、パーマなどそれぞれの工程に短髪の男性よりも時間がかかることも、会話が気になる理由かもしれない。
■美容師との会話が苦手なパターン4つと解決策
実際、ネット上のQ&Aサイトや悩みを投稿する掲示板などでは、「美容師との会話が苦手」という人が多く見られる。その苦手と思うパターンは、主に次の4つの悩みに分かれる。
これらの4つの悩みそれぞれについて、会話術を得意とする株式会社Smart Presenの代表 新名史典氏にアドバイスをもらった。
1.美容師との会話を続けようと頑張ってしまい、気疲れしてしまう
雑談のような会話は無理に行う必要はありません。自分に特にしゃべりたいネタがない場合は、話しかけられたことへの対応で十分です。雑誌などに目を通すのも手ですね。これを「逃げ道」と呼んでいます。会話しない時間が自然になるような工夫で、自然に会話しなくて済みます。ただ、その雑誌に面白い記事があれば、そこから会話につなげても良いと思います。
2.「この後どこか行かれるんですか?」と美容師から聞かれたときに、本当に予定がなく「いえ、特に行きません」と答えてしまい、話が終わってしまうのが気まずい
「はい/いいえ」のどちらかで答えられる質問をクローズ質問と呼びます。この質問はまさにクローズ質問ですが、そこから会話をつなげるには、こちらから一言コメントをつけると良いです。特に困るのは「いいえ」のときです。今回であれば「いや、特には行かないんだけど、花見には行きたいなあ。」などと独り言のようにコメントをつけると、自然に会話がつながり、気まずさも少なくなるでしょう。
3.美容師が必死に会話のネタを探そうとしているのが分かるのが嫌
自分がしゃべらなくては、と焦っているのは、美容師さんも同じ。この場合は、自分が相手に関心を示す質問をすると良いです。私がよく使うのは「最近、お店忙しいですか?」「お店のスタッフでお花見行ったりするんですか?」などのような、あまり個人の話に特定しないように配慮し、お店単位の質問をします。これにより、変に個人情報を詮索することなく、会話の糸口を作ることができます。
4.髪のこと以外のプライベートな話はしたくない
本当に会話自体をしたくないときは、先ほどの「逃げ道」を使って雑誌などを読むとよいです。その際に「この記事読みたかったので、ラッキーです」などと言って記事を読むことに意識を集中したいアピールをするのもいいでしょう。場合によっては「こういうときしか本を読めないんで、良い読書時間です!」と言って、読みたい本を持ち込んでしまうこともできますね。