■Report
Abyss『AB-1266 Phi』はゴツイ、そして重い。重量は620gである。そして剛性が極めて高いの加えてヘッドバンドのテンションがほとんどかからない。つまり、側圧がほとんどない。平面駆動型のヘッドホンの側圧はやや強めのことが多い。しかし、本機の場合、頭頂部に重さを感じるが、耳への圧迫感がない。そして、これが広い音場感を生む一翼を担っていると私は直感した。さらにハウジングは耳に対する角度が微調整でき、イヤーパッドはマグネット式で厚みの位置を細かく調整できる。これらの調整で徹底的に耳とヘッドホンを一体化できるのだ。
アルミ削り出しのパーツの集合体。ヘッドバンドのテンションはかなり弱めである。
スポンジのように見えるが何と糸状のアルミ合金で非常に硬い音響フィルター。
イヤーパッドは前後で厚みが段階的に変えてあり、好みの位置に磁石で固定できる。
ハウジングもアルミ合金製で型番とシリアルナンバー、メイドインUSAの文字がある。ボルトはステンレス合金を使っている。
この部分を回すことでハウジングが耳に当たる角度を調整できる。
『AB-1266 Phi』のセッティングが決まったところで、早速ヘッドホンアンプに接続。今回は本機のためにXIAUDIO『Formula S』も借用している。Abyssリスペクトのシャオ・チー氏が『AB-1266 Phi』をドライブすること前提に設計したアンプなので間違いない。バランス接続対応で駆動力が高いだけでなく、情報量も多く繊細な音を伝えられるという。せっかくなのでXLR左右独立ケーブルで接続した。
試聴に使用した高音質版の左右独立XLR3pin端子ケーブル「JPS Labs Superconductor HP」。最上級セットに含まれるケーブルである。
こちらは左右独立でXLR4pin端子でLiteセットに含まれるケーブル。