
ゴールデンウィークが明けた後は、休みモードから仕事モードへの切り替えは勝負どころだ。そんなときの「敵」となるのが、日中のだるさや眠気。ゴールデンウィーク中、結構、寝たはずなのになぜか眠気が襲ってくるという人もいるのではないだろうか。
そこで今回は、睡眠外来を担当し、睡眠に関する著作を多数持つ作業療法士の菅原洋平氏に、GW明けになんとなく眠気があってだるいと感じているビジネスパーソンへ向けて、その眠気の原因や取り方を聞いた。今すぐ実践してみよう。
■GWのような長期休み明けに眠気が起きる理由
GWのような長期休み明けに、日中、仕事をしていると、なんとなくずっと眠気を感じたり、体がだるかったりすることがある。なぜこのような状態になるのだろうか。菅原氏によると、自律神経の状態と、起床時間のズレが関係しているそうだ。
●副交感神経が活発になりやすく休み過ぎてしまう
「4~5月は春夏シーズンの気温上昇に備えて、自律神経の副交感神経の活動が活発になります。これは消化機能を高めてエネルギーの効率を高めるためですが、リラックスを促す副交感神経の活動が高まると、休んだときに休み過ぎてしまい、再び活動をしようとしても、だるさや眠気が残ることがあります。この変化が起こりやすい季節に長期休暇があることが、GW後にだるさや眠気が起こりやすい要因となっていると思われます」
●コルチゾールが急分泌される
「GW中、夜更かしの習慣を続けていた場合、GW明けには急に早起きすることになるでしょう。こうして起床時間の差が大きくなると、起床3時間前から起床準備をするコルチゾールというホルモンの分泌のタイミングもずれます。すると、GW明けの急な早起きの際にコルチゾールが急分泌されてしまい、だるさが起こったり、ぼーっとしたりすることがあります」
■仕事に集中できないほど眠い! 一時的な対処法は?
GW明けになんとなく眠気があって仕事に集中できない場合、どのような対処法があるだろう。すぐに対処するための方法を聞いた。
「計画仮眠で対策します。ポイントは4つ。(1)眠くなる前に、(2)1分~30分以内で、(3)座ったまま、(4)『○分後に起きる』と3回唱えて目を閉じます。眠気の有無に関わらず、客観的に脳の働きを管理すると考え、車両の運転や重要な作業の前に行うと、作業中の眠気をあらかじめ除去することができます」
この計画仮眠は、一時的な方法ではあるものの、「普段から実践していると短時間でも頭をスッキリさせることができるようになる」と菅原氏。GWのような長期休暇の後でなくとも、眠気を我慢せずに先手を打って対処するこの方法は、普段から身に付けておくといいそうだ。