■商品として魅力的か ★★★★★(★5つが最高点)
『XC40』は『XC60』と『XC90』に連なる末弟というふうにイメージしてしまうが、ボルボのデザイナー氏によれば「弟ではなく、イトコ」なのだという。うまい例えだと思う。その通り、『XC40』の内外デザインや素材使いなどは『XC60』や『XC90』のような正統的なスカンジナビアンモダン路線を少し横にズラせたカジュアルなテイストでまとめられている。
カジュアルと言っても幼稚になっていないところが見事で、どんなユーザーにもフィットするだろう。ラップトップコンピューターがすっぽり収まる深さと奥行きを持たせたドアポケットやスマートフォンを無線充電できるセンターコンソールの物入れなど、今を生きている人のライフスタイルをよく観察していて、何が必要になるを良く考えて、忠実に商品化している点を高く評価したい。
内外の自動車メーカーの開発者から、「ライフスタイル」という言葉を聞くことが増えたけれども、ライフスタイルとは言っても千差万別で、想定しているものが古臭く、時代遅れなものだとガッカリしてしまう。その点、スマートフォンやコンピューターを活用して、クルマからインターネットにアクセスするメリットを積極的に享受しようとしている人をボルボは想定しているに違いない。
『XC40』は「走る、曲がる、止まる」の基本性能も優れているが、新しいセンスの内外デザインも魅力的な上に、運転支援とコネクティビティという、クルマにとっての新しい機能と価値においても他をリードしている。とても魅力的だが、早く標準仕様に乗ってみたい。
■関連情報
https://www.volvocars.com/jp/cars/xc40-teaser
文/金子浩久(モータリングライター)
■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ