■機械として優れているか ★★★★(★5つが最高点)
252馬力を発生する4気筒2.0?のターボエンジンは『XC40』には十分以上のパフォーマンスを示していて、箱根の急勾配の山道でも元気良く走る。必要十分以上の加速力で、これ以上でも以下でも不満や違和感が残るだろう。ハンドリングも軽快で、キビキビと良く走る。乗り心地も快適。走らせてみて、どこか不自然に強調されたようなところもなく、とても良くバランスが取れている。『XC90』も『XC60』も同じような傾向の走りっぷりだけれども『XC40』は両車の美点を継承している。
運転支援デバイスの「パイロットアシスト」も一般公道から効き目があって、センターラインを越えそうになるとハンドルを回して進路を戻すし、前車に近付きそうになると車間距離を空けるよう減速して調整する。働き方もスムーズで、なおかつドライバーに作動状況が明確に伝わってきて、安心感がある。表示もわかりやすく、総合的なインターフェイスに優れている。
ただ、試乗したグレードは「R-Design 1st edition」という最上級の装備テンコ盛り仕様で、タイヤも20インチという大きなものを履いていた。それに対して「R-Design」ではない、それ以下のグレードではノーマル設定の19インチサイズのタイヤを履いている。この「R-Design」は、段差や舗装のつなぎ目を乗り越える際にドタバタとした振動が大きかった。おまけに、硬めのサスペンションを装着しているので、路面がスムーズでない限り跳ね返される点がマイナス評価となる。
★★★★★の満点を付けたい仕上がりだが、保留付きで満点に★がひとつ及ばない。まだ乗っていないので断言はできないけれども、ひとサイズ小さなノーマルタイヤとノーマルサスペンションが装着された「R-Design」ではない『XC40』はこれよりもショックが軽く、しなやかな乗り心地に仕上がっていることが予想されるからだ。