ステーションワゴン選びのポイントとなるラゲッジルームの広さに至ってはクラス最大級。パサートヴァリアントのラゲッジは開口部地上高620mm(ベンツCクラスステーションワゴン600mm、BMW3シリーズツーリング600mm)、フロア幅995~1440mm(ベンツCクラスステーションワゴン960~1210mm、BMW3シリーズツーリング950~1370mm)、フロア奥行き1140mm(ベンツCクラスステーションワゴン980mm、BMW3シリーズツーリング985mm)、後席格納時フロア長1750mm(ベンツCクラスステーションワゴン1620mm、BMW3シリーズツーリング1600mm)というわけだ。※すべて筆者の実測値。
ただし、パサートヴァリアントは全高が低めで、天井高は710mm(ベンツCクラスステーションワゴン750mm、BMW3シリーズツーリング790mm)になるものの、容量としては最大級ということになる。
もちろん先進安全運転支援機能も満載だ。実際、東京から軽井沢を目指したのだが、高速走行はACC(全車速追従機能/渋滞時追従支援システム付き)とレーンキープアシストシステム、さらにはレーンチェンジアシストシステム(ブラインドスポットモニター)などによって、半自動運転でのクルージングを堪能。高速クルージング、首都高速の渋滞通過での肉体的、精神的ストレスは最小限だった。
しかも、東京を出発する時の航続可能距離がまた感動的だった。JC08モード燃費は1・4Lのダウンサイジングターボエンジンを積むガソリン車の20.4km/Lに対して20.8km/L。初期型と違い今ではナビ画面の縮尺が変えられるようになったデジタルメータークラスターの表示で1000kmを超えていたのである(燃料タンク59Lで!)。東京駅を起点にすれば、軽井沢のプリンスショッピングセンターまで片道およそ160kmだから、3往復はできる計算になる。というより、東京から北九州小倉まで無給油で行けるかもしれない(1012km)。輸入車の場合、ガソリン車はハイオク指定だから、軽油との価格差はレギュラーガソリンより大きくなる事実も知ってくべきだろう。
運転のしやすさ、乗り心地は文句なしだ。ハイラインは235/45R18サイズの大径タイヤを履いているものの、最小回転半径は5.4mと、車格、全長から想像するよりはるかに小回りが利き、足回りは軽井沢の荒れた路面を見事にいなし、関越自動車道、上信越自動車道の継ぎ目も「タン」とスムーズに乗り越えるマイルドなフラットライドに徹するから快適そのものだ。
1510mmの全高の低さから車両の重心も低く碓井軽井沢ICから直進するカーブが連続するバイパスの山道でも車体は安定したまま。後席に乗せた、愛犬のラブラドールレトリーバーのマリアとジャックラッセルのララも体を左右に振られることなく、安心して乗車していられた事実も印象的だった。