フォルクスワーゲンは定評あるダウンサイジングターボ、スポーツモデルとして存在するGTEと呼ばれるプラグインハイブリッドのほか、クリーンディーゼルにも力を入れている。今後、ゴルフなどにも加わると予想されているほどだ。
そんなフォルクスワーゲンの待望のクリーンディーゼルモデル、パサートヴァリアントTDIに試乗した。セダンでなくワゴンのヴァリアントにしたのは、販売比率で上回るから。ワゴンに愛犬を乗せ、アウトドアグッズを満載して遠出する機会の多いユーザーこそ、足が長く(燃費がいいので航続距離が長い)、軽油によるランニングコストが安いクリーンディーゼルを選ぶ傾向が強いのは、他メーカーでも同じである。
パサートは欧州Dセグメントに属するミドルサイズのセダン/ヴァリアントと呼ばれるステーションワゴンをラインアップするが、ドイツ御三家のメルセデスベンツ、BMW、アウディのCクラス、3シリーズ、A4に比べ、割安な価格も大きな魅力となる。何しろ価格は中間グレードかつ快適&先進安全運転支援機能満載のTDIエレガンスラインで442.9万円。ナビゲーションなどが標準装備となり、ナパレザーシートがおごられるハイラインでも509.9万円なのである。
ここではTDIハイラインに試乗したが、水平基調の押し出し感というよりエレガント感が際立つフロントマスク、伸びやかなルーフラインがスタイリッシュなワゴンボディー、そして高級感溢(あふ)れるインテリアと先進感たっぷりのデジタルメータークラスター、つながるナビゲーションシステムなどが、価格以上の価値、商品性を伝えてくれる。