■「頼りになる上司」と「頼りにならない上司」を分けるライン
一般的に「頼りになる上司」と「頼りにならない上司」を分けるラインはどこにあるのか。嶋津氏は次のように話す。
「上司の個人的な実績はないよりはあったほうがいいのですが、それよりも、『この上司の言うことを聞いて、部下自身の実績、チームの実績が上がったかどうか』が、頼りになる、頼りにならない上司を分けるラインではないかと思います。まずは自分ためではなく、部下のために仕事をして、部下に実績を上げさせてください」
■失敗してもチャレンジしている姿を見せ続ける
上司になりたての時期は、部下に頼りない姿を見せてしまうこともあるかもしれない。そのようなとき、上司はどのような発言・ふるまいをすべきか。
「大前提として、失敗を恐れないでください。誰にでも失敗はあります。その代わり、チャレンジしている姿を見せ続けてください。部下から見たときに一番頼りにならないのは、失敗した上司ではありません。頑張っていない上司です。なので、失敗しようが誰よりも一生懸命頑張っている姿をぜひ、部下に見せてください」
新年度がスタートした今、新しい環境、人間関係に臨む人は多い。このような中、頼れる上司として認められるには、いかに情熱をもってビジョンを語り、失敗を厭わず部下を思って行動し、良い関係を構築していくかが重要になりそうだ。
(取材協力)
嶋津良智氏
もっと“稼ぐ”組織を作る「上司学」「組織づくりの12分野」メソッドの開発者であり、リーダー育成の第一人者。主な著書としてシリーズ100万部を突破しベストセラーにもなった『 怒らない技術 』など、累計150万部を超える。
https://www.leaders.ac/
取材・文/石原亜香利