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お手頃価格と高音質でバカ売れしたfinalのイヤホン最新モデル『E4000』『E5000』をレビュー

2018.03.28

■なぜ、『E2000』『E3000』は売れたの?

 『E4000』『E5000』の登場前史としてあるのが、本サイトでもハイコスパの高音質イヤホンとして紹介し、2017年5月の発売から累計10万本以上の出荷を達成したというfinalの有線イヤホン『E2000』『E3000』だが、なぜ大ヒットしたのだろうか。

 実は『E2000』『E3000』の2モデルは、finalとして”良い音とは何か?”という原点に立って開発が行われたイヤホン。良い音のモデルは、学術的に正しいとされる周波数特性が存在するものの、近年否定されつつあり、finalがNHK技研を始めとした音響の研究者に本質的な疑問を投げかけた上で、普遍的な領域で”finalの高音質”を追求して作り上げたイヤホンが『E2000』『E3000』だった。

 なお、全く同じコンセプトで同時期に開発されたfinalの平面駆動型ヘッドホン『D8000』(約40万円)も発売中。イヤホンの『E2000』『E3000』とヘッドホン『D8000』は、外見からも価格からも全く想像も付かないが、兄弟モデルだ。

”良い音とは何か?”という問いからスタートした『E2000』『E3000』

■脱”ドンシャリ”サウンドをSNSの評価を重視して採用

 イヤホンの開発にあたっては低価格で高音質と感じてもらうには”ドンシャリ”のチューニングを狙うのがマーケティングの定説。OEMも手がけるfinalは、過去に『E2000』『E3000』と同じ音をOEM先にも提案しても、売れないと否定された事もあった。だが、finalは自社ブランドで展開するにあたり、今のポータブルオーディオファンは一聴のインパクトよりもSNSの評価を重視すると仮説を立てて、マーケティング無視で『E2000』『E3000』でfinalの考える本当に良い音を提示。結果、『E2000』『E3000』は本質的な音の良さがわかるポータブルファンのSNSやメディア/評論家から絶賛され、今やエントリーイヤホンの定番モデルとしてなっている。

マーケティングの常識ではエントリー機は”ドンシャリ”

発売直後からSNSや国内外のメディア、評論家から圧倒的な評価を獲得

 そんな『E2000』『E3000』のヒットを受けて誕生した上位モデルが、今回発表されたfinal『E4000』『E5000』の2モデル。コンセプトは『E2000』『E3000』は家庭の和食の味だとすれば、『E4000』『E5000』は料亭の味。”80%の人から「いいね」”を貰える機種から、”50%の人から「凄くいいね」”を貰えるようにと、普遍的な良い音と個性をギリギリの領域まで追い込んだチューニングをしている。

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