■民間出身の館長が示した道標
ただ、最初から何もかも順調に進んだわけじゃない。売り方も値段も、全て出品者に決めてもらう方式のため、中にはただ並べるだけ。商品が午前中で無くなっても補充しないうえ、強気の値段設定をする人もいた。これでは工夫を凝らし、値段を上手に変える人に敵わず、自分の商品が売れないと不満を口にする人もいた。
それに対し、商売とはどういうものなのか叱咤激励しながら支えたのは、公募により選ばれた地元スーパーマーケット出身の初代館長だった。業界では氏の熱意があったからこそ、むなかたは成功したといわれるほどの存在だ。
現在、初代館長は退任し、昨年の公募で新たな営業部長(旧館長職)が就任しており、前職と同様の民間小売業経験者なので、新たなサービス向上にも意欲的だ。
■新たな施設もオープン間近。創業祭も見逃せない
参考までに、道の駅むなかたの最新(平成28年度)総売上高は19億5900万円。これは九州でナンバー1。全国的に見てもトップクラス。圧巻なのは物産直売所がそのほとんど(17億6300万円)を占めている点だ。
来場数は最新のデータで172万8000人といい、ここ数年は170万人ラインを推移しているというが、2018年4月21日(土)には新たな施設「宗像観光おみやげ館」がオープン。さらに今年は道の駅むなかたの10周年という記念すべき年にあたり、5月11日(金)~13日(日)には創業祭として様々なイベントも用意されている。
今回は鮮魚のみに触れているが、水産加工品や農産物も同様の心意気で売られているので、どの品も納得いくはずだ。福岡に行く機会があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。そして、ぜひとも自分の目で売り場を覗いていただきたい。
当日の水産物、農産物などの入荷情報は連日公式HPで公開されている。
道の駅むなかた http://www.michinoekimunakata.co.jp/
写真協力/宗像市役所
取材・文・写真/西内義雄