■プレイヤー全員で敵を倒す
それを踏まえた上で、ゲーム開始。
まずは、ある程度経験値とキャラの攻撃力が貯まるまで最初の町を周回。モンスターを倒してお金を増やし、それを有料の修行に宛ててキャラを成長させる。
先述の通り、このゲームはターン制限がある。4人プレイの場合は18ターンまで。だからあまりゆっくりしていられない。
そしてその上で、各プレイヤーにバダビットを打倒する以外の目標が設定されている。筆者の場合は「故郷への恩返し」。ゲームクリア時点で25G以上のお金を持っていなければならない。
そんなこんなで冒険は進んでいくが、誰かがモンスターカードを引くたびに筆者が儲かった。なぜなら、ハンターを独占しているからだ。ハンターにしか倒せないモンスターが少なくない数存在し、その度に筆者が討伐に呼ばれるのだ。もちろん、報酬はきっちりいただく。
ここで恩を売り、場面の節目節目で大きな額を請求できるのでは……と筆者は考えたのだ。
マップ上に散らばる中ボスは6体。こいつらをすべて倒さなくては、バダビットのいる城に行くことはできない。中ボスにもクリア条件が設定されていて、「自分ひとりの攻撃力が10以上」というものもあれば、「プレイヤー全員の経験値が4以上」というのもある。特定のアイテムがなければ倒せない中ボスもいる。
■ひとりの欲望が世界を破滅させる
すると、どうなるのか。
資金に余裕のある誰かが早めにアイテムを買わなければ、いつまで経っても中ボスを倒せないという事態が起きるのだ。
誰かがそのアイテムを持ってさえいれば、あとで譲渡することができる。もちろん、それを金で売ってもいい。実際に筆者はそれをやった。15Gで購入したアイテムを、中ボスのいるマスまでたどり着いたプレイヤーに20Gで売りつけたのだ。
しかし、この判断がのちのちの悲劇を生んだ。プレイヤー間で極端な貧富の差が発生し、修行したくとも資金不足でできないという者が出てきたのだ。
バダビットを倒す条件は、プレイヤー全員の攻撃力が60以上、経験値が50以上である。要は誰かひとりが儲かっても意味がないのだ。
結局、最後の中ボスを倒すことができたのは最終18ターン目。4人の中で一番資金を稼いだのは筆者だったが、それ故にバダビットの城にたどり着けず世界が滅亡してしまった。