『7つの習慣』という本がある。
これはビジネス書と言うべきか、哲学書と言うべきか。見方を変えれば、宗教書と言えなくもない。著者のスティーブン・リチャーズ・コヴィーは熱心なモルモン教信者だった。しかしこの本が、カトリック信者ですら少ない日本で大いに受け入れられた。著者の所属宗教を抜きにヒットした、ということだ。
ところが、この本にはひとつ問題がある。そもそものページ数が多い上、いささか難解な部分もあるという点だ。日本での読了率は1割程度であるという。
せめて、もっと分かりやすくこの本の内容を説明してくれないか。
そう考えている読者の方々には、ボードゲーム『7つの秘宝』がオススメだ。
■魔王を倒せ!
さて、今回はボードゲームである。
これはRPGを題材にしたもので、2人もしくは4人でプレイする。マップ上の6体の中ボスを倒したのち、バダビットという魔王の城に突入して彼を倒すというのが最終目標だ。
だが、このバダビットのオッサンはいつまでも待ってくれない。どうやらギラギラの中年ざかりのようで、4人プレイの場合は18ターン以内に攻略しないと強大な精力……もとい、魔力を放出して世界を破滅させてしまう。
クラウドファンディング『Makuake』で資金調達中のこのゲーム、このたびは開発チームのメンバーとMakuakeのスタッフ、そして筆者を入れた4人で実際にプレイしてみた。
まずは、それぞれのプレイヤーが各職業のキャラクターを4人選ぶ。戦士、魔法使い、ダンサー、忍者、ハンターなど、いかにもRPGらしい面々が揃っている。
筆者は忍者、侍、そして2人のハンターを選んだ。この時点で、筆者はハンターを独占しているという点に注目していただきたい。
ゲーム進行にはお金と経験値がモノを言う。これは主にモンスターを倒すことで集める。モンスターはカードに指定された職業のキャラでないと倒せないが、これに関しては他のプレイヤーの協力を請うことも可能だ。その際、モンスターを倒すことで得られるお金と経験値の分配を決める。
レベルアップや装備、アイテムの入手にはお金がいる。だからお金があるに越したことはない。しかしこれは、いざとなったら他のプレイヤーから融通してもらうこともできる。アイテムの売買や譲渡も自由に行える。ただし、キャラクターや経験値の譲渡はできない。
以上が7つの秘宝の基本ルールだ。