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東海道新幹線の新型車両『N700S』の〝見えない〟進化をチェック

2018.03.25

JR東海 新幹線鉄道事業本部 上野雅之副本部長が「東海道新幹線史上、最高の車両です!」と語るN700S。だが、正直言って、現在活躍中のN700Aと見比べても外見上はロゴマークやヘッドライトなどに少しだけ違いがみられるだけで、ただのマイナーチェンジじゃないの? と思ったあなた! いいえ、違います、N700Sは見えないところでものすごい進化を遂げているんです!!

見た目以上にすごい進化が集結している東海道新幹線N700S。

「安全性、環境性能、乗り心地すべてで東海道新幹線史上最高の新幹線車両になった」と自信を語るJR東海 新幹線鉄道事業本部 上野雅之副本部長。

01:駆動システムを大幅小型化&軽量化

ほとんどの乗客は意識することすらないが、当然のことながら新幹線の床下にはたくさんの機器が詰まっている。駆動システムを徹底的に小型・軽量化することにより、N700Sでは従来のN700系から実に約20%の軽量化を実現。中でもモーターに流す電流をコントロールする「主変換装置」にはJR東海がかねてから研究を重ねてきた「SiC素子」を採用。

報道陣に装置の説明をしていた車両課 福島担当課長によると「従来、N700系では幅が約2200mmあった主変換装置を半分以下の約1000mmまで小型化できました。また、SiC素子はエネルギー効率がよいだけでなく熱にも強いため、以前はブロア装置で強制的に風を送り冷却をしていた機構を省略し、列車の走行風だけで冷却できるようになりました」という。

実は先日の報道公開時、N700Sが入線してきた際の「音」が気になっていた。僕自身が勝手に東海道新幹線の特徴と感じている「ブオォーン」という音が大幅に減り「静かだなぁ」と思っていたのだ。

「実はブロアレスの機構は今までも採用していましたが、N700Sではその他の機器も小型化ができたので静音性が上がっています。走行の要となるモーターについてもこれまで電磁石を4極搭載していたものを6極に増やし電磁石を小さくしつつも従来の出力も確保し、1つのモーターあたりN700Aから約70Kg軽量化しました。」(福島課長)。N700Sは16両中14両がモーター付きの車両になるのでこの軽量化は大きいだろう。

左がN700系、右がN700Sの主変換装置。小型化が一目瞭然!こんなに小さくなった。

左がN700A、右がN700Sのモーター。若干、小型化されていることがわかる。

より効率化された空調機器(手前がN700S)普段、床下機器の公開はあまり行なわれないが、ここに展示された機器こそがN700Sの革新の証拠だ。

ちなみに気になるのは機器の小型・軽量化で生まれた空間や重量の「余力」について。この疑問に対して福島課長が「これが搭載できました」と紹介してくれたのが、リチウムイオンバッテリー!車両に大容量バッテリーを積載することで、停電時も車内のトイレが一部使用できる仕組みになっている。さらに、長大トンネルや橋りょう上などの避難が困難な場所停車しても自走できるシステムの実用化を目指しているとのこと。このバッテリー自走システムは東京メトロ銀座線でも導入が進められているが新幹線車両では初の試み。そのほか空調設備の効率化を図り、ここでも省エネ性能が向上している。ちなみにバッテリーのほか空いたスペースは「全席モバイルコンセントの設置などに必要な機器の搭載にも活用しています」(福島さん)、と乗客向けサービスにも生かされている。

バッテリーの搭載はどうしても重量、体積ともにかさむがN700Sでは実現。

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