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人間の体の神秘を学べる国立科学博物館の特別展「人体-神秘への挑戦-」が面白い!

2018.03.21

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

 国立科学博物館にて6月17日まで開催されている特別展「人体 ―神秘への挑戦―」。NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」と連動した企画で、NHKの番組では人体研究の最先端を紹介、国立科学博物館では人体研究の過去から未来への大きな流れを見ることができる。

「人類は歴史の中で人体をどのように見てきたのか、過去から未来まで見通すような展覧会にすべきではないかと考えた。人体研究はルネサンスからスタートしたが、人体を考える研究者による作業が科学の歴史そのもので、科学の進歩と人体研究はシンクロしている。どのような流れで過去から現在まで人体研究が進んできたのかその流れを示したい」(国立科学博物館 副館長 人類研究部長 篠田謙一氏)

 約140点の展示物が並ぶ本展では、「人体理解へのプロローグ」「キンストレーキ」「循環器系・泌尿器系」「神経系」「消化器系・呼吸器系」「運動器系」「人体の発生と成長」のエリアで構成。さらに4KシアターやNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」のコーナー、体内を最新の電子顕微鏡で撮影した「体内美術館」、第2会場の「人体の設計図」と多くのエリアがあるので、時間的な余裕を持って鑑賞することをお勧めする。

◆人体の謎に取り組んできた先人たち

 人体研究の大きな転換期となったルネサンス期(14~15世紀)における、人体研究のパイオニアの足跡をたどる。ルネサンスの巨匠で万能の天才であった、レオナルド・ダ・ヴィンチは実際にフィレンツェに病院で人体解剖を行い、多くの解剖スケッチを遺している。

 ダヴィンチは人体解剖の研究者ではなかったが、人体の構造、機能について自分なりの解釈をしていたことがスケッチや考察を記した「解剖手稿」からうかがえる。

 また、近代解剖学の祖と言われるアンドレアス・ヴェサリウスの解剖図譜「ファブリカ」の1543年発行の初版本の展示も本展の見どころのひとつ。

 入口からすぐのフロアには、ろう製のワックスモデル(人体模型)と、金属と紙粘土で作られた「キンストレーキ」が展示されている。

「ヨーロッパの数か所にはとても精密なワックスモデルがあるが、精密過ぎて脆弱ゆえに貸し出しできないと断られた経緯があった。キンストレーキはフランス解剖学者であるオズーが開発した紙粘土で作った精密模型で、日本では江戸時代に蘭学を学んだ医師たちが人体の構造を理解する試みが行われ、その頃にキンストレーキがオランダから入ってきた。現在日本国内に存在するのは福井に2体、金沢大学、長崎大学の4体のみとなっている」(国立科学博物館 名誉研究員 山田 格氏)

 高価でもろいワックスモデルは自由に触れる教材として不適切だったため、耐久性に富み、解体、組立てができるオズーによるキンストレーキが流行ったとのことで、正確に再現されたキンストレーキは解剖学教育の夜明けをもたらしたと言われている。

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