■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
■北海道らしい風景の中で北海道発信のブランドを
最強を名乗るダウンジャケットがある。雪山ではなく、雪国での生活を考慮した機能を搭載し、無駄を省いたシルエットがウケ、発表後即完売となる『ナンガホワイトレーベル』だ。
「ナンガ」は滋賀県で高品質のダウン製品を製造するアウトドアメーカーで、『ナンガホワイトレーベル』は、北海道・当麻町のセレクトショップ「MOONLOID」がナンガと共同開発したブランド。いわばショップオリジナルだが、関東エリアを中心に全国からオーダーが届く注目ブランドなのだ。
MOONLOIDがある当麻町の隣、旭川市は最低気温-41℃を記録した極寒の街。当然、当麻町の冬も-30℃は当たり前という環境にある。
「外は寒いけれど、家の中は薄着でいられるほど暖かい。それが北海道の冬です。-30℃、-40℃に耐えうる保温性、汗や雪でダウンがへたることのない防水透湿性、そして気軽に羽織れる軽さを併せ持った北海道らしいダウンジャケットを作ろう」と思い立ったMOONLOID店長・甲斐綾乃さんが、ナンガに相談したのが最強ダウン誕生のきっかけ。
『ナンガホワイトレーベル』を手にする甲斐さん。購入希望者は多いが、MOONLOIDの実店舗または通販でしか購入できない。2017-2018モデルで7万8000円〜+税。価格を見ると決して安くはないが、スペックを考慮すれば10万円以上でもおかしくはない。「MOONLOID限定とすることで価格を抑えられています」(甲斐さん)
超はっ水加工を施した940FPのシルバーグースダウンを1着につき220gほど封入している。写真右がシルバーグースダウンで、1瓶約1gというから相当の量だとわかる。
ダウンを包みこむ生地はナンガがほこる防水透湿機能を持つオーロラテックス・ライト、さらに止水ファスナーを採用するなど雪に濡れても、汗をかいてもロフト(厚み)を損なわない最強仕様だ。
ダウンジャケットを手がけるメーカーはいろいろあるが「メンテナンス性を考えて日本で製造するメーカーに。補修したいときに対応してくれないのは困りますから。ナンガは国産であると同時に、高品質でコストパフォーマンスがいいんです」と、ナンガを選んだ理由を教えてくれた。