
上司の立場として、部下にいくらまでランチや飲み代をおごることができるだろうか。また、部下にとってはいくらまでなら恐縮しないのだろうか。そして上司はどのくらいまでおごるのがスマートか、探ってみよう。
■20代の部下が抵抗のない「おごられ額」は?
SMBCコンシューマーファイナンスが2015年10月に20代に対して実施した調査では、「上司・先輩からおごられて気を遣わない金額は?」の問いに対して、「3,000円までなら抵抗ない」が約半数という結果になっていた。しかし「5,000円」に抵抗を感じないのは25%にとどまった。さすがに5,000円上司からおごってもらうとなると恐縮してしまうようだ。
一方、同社が2017年1月に30~40代に対して実施した調査では、部下や後輩へのおごり額で「抵抗を感じない」と答えたのは「2,000円」が61.1%、「3,000円」では46.8%、「5,000円」では23.8%という結果になった。
上司が部下に気持ちよくおごり、部下が上司に恐縮することなくおごられる金額は、共に「3,000円」がボーダーラインとなった。
■上司は部下にいくらおごるのがスマートか
一人当たり3,000円といえば、ランチでは少々高いと思われるため、飲み代と想定してみる。飲み代を3,000円おごれば上司も部下もいいバランスが保てるといえそうだ。
しかし、上司はあえて4,000円以上おごり、「太っ腹」なところを見せて株を上げることも必要なのではないか。とはいえ、4,000円以上になると、部下は恐縮してしまい、気持ちよくおごられなくなってしまうかもしれない。果たして、最もスマートな上司としてどうおごればいいか。
リーダー職への研修において部下とのコミュニケーション術も教えている伊庭正康氏に聞いてみた。
「株を上げるなら、いくらであっても『全額おごる』のが基本です。どんな比率であれ、部下から払ってもらったら株を上げることはできないと考えます。気を遣って『じゃ、1000円だけもらっていい?』と言ってしまう人もいますが、たった1,000円であっても株は上げられなくなります。株を上げたいなら全額をおごること。対策としてはコスパの高い店を知っておくことです。1人4,000~5,000円くらいまでの店にしておくのが妥当です」