■自分宛てにメールを出して問題解決することは有効か
こうした自分宛てにメールを出すという方法を「問題解決法」としてみた場合、有効なのか。「問題解決のプロ」で、ビジネスパーソン向けの研修講師も務める後藤匡史氏は次のように話す。
「問題解決は本来、多人数でやるほうが効率良いことが多いので、相談できる人がいるなら相談したほうが良いです。ただ、極めてプライベートな問題や機密性の高いもの、あるいは人に言いにくいチャレンジ、ミスなど相談しにくい問題があることも事実です。その場合には自分にメールを書くと、問題が明文化され、問題点が明確になるため、ご自身の整理には大いに役立つはずです。また、自分自身が感情的になっている場合や、自信がない場合には、一度整理したものを書いておくと、あとで見直せるという効果もありそうです」
■自分宛てメールで問題解決するための4ステップ
自分宛てにメールを送り問題解決を図る場合、どのようなことにポイントを置けばいいか。後藤氏は次のように話す。
「問題解決、ということを主眼に置くなら、問題を整理しておくことをおすすめします。私は、問題解決を4ステップ、すなわち『問題の定義-問題点の発見-原因分析-解決策立案』の流れで考えます。これに合わせて、次の問いに答える形で記載するとわかりやすいでしょう」
1.何を解決したいのか?(問題の定義)
2.どこが最大の問題点なのか?(問題点の発見)
3.なぜそれが起こっているのか?(原因分析)
4.どうやって解決するか?(解決策立案)
「最近、メールやデジタルツールをToDo管理に使っている方も多いです。それらと連動させると、考えた内容が行動につながるため、より実践的になると思います」
自分宛てメールは、時に、意外にも有効に活用できることがありそうだ。一度、何か問題が見つかったら試してみるのもいいかもしれない。
取材協力
後藤匡史(ごとうまさふみ)氏
株式会社シナプス 取締役
問題解決のプロとして、マーケティングや新規事業のコンサルティングを行う。研修でも問題解決スキルを教えており「ビジネスですぐに使える」と評判
取材・文/石原亜香利