■上級者にしか教えないメール術
時短術の他にも、メールを効率化し、仕事をスムーズに進めるための術がある。平野氏に上級者にしか教えないメール術を5つ挙げてもらった。
1.送信前に、送る相手によっては書いたメールを見直さない
「社内など、信頼関係が構築できていることから、誤字や脱字などちょっとしたミスがあっても許容され、評価を下げることはない関係性のときは、送信前に間違いを慎重に見直す必要はありません。そうした些細な時間も、塵も積もれば大幅な時間短縮につながります」
2.相手によっては挨拶などを省略し、結論だけを書く
「同じくコミュニケーションがとれている相手に対しては、宛名・挨拶・名乗りを省略して結論だけを書くのも一つの方法です。『了解です』とだけ書くこともあります。ただし、これを一般の相手に使うのは危険です。実践する場合、状況や相手との関係性を正確に判断する必要があります」
3.返信期限を1秒でも過ぎたら催促する
「相手に対して返信期限を設けたメールについて、1秒でも返信期限が過ぎたら、遠慮なく催促し、仕事をスムーズに進めましょう。通常、催促はためらわれることですが、上級者であれば角が立たずにうまく催促できるはずです」
4.Googleカレンダーの予定のメモ欄にメール原稿を入れておく
「Googleカレンダーは日時ごとに細かくスケジュールを設定できますが、その設定項目のうち、メモができる欄があります。そこへ、その時間に送るべきメールの原稿を入れておき、毎月、毎週などの繰り返しの設定しておきます。例えば、『毎月1日に社員宛に確認依頼メール』を送る必要がある場合などです。通知機能を使えば予定を忘れることもありませんし、メール原稿のテンプレートを探す手間も省けます」
5.自動で送るよう設定する
「例えば、毎月、毎週100%同じ原稿でメールを送るときは、メールのシステムを利用して、自動送信するよう設定するのもいいでしょう」
いずれも、いつものメールが少しずつ時短になり、効率化するテクニックばかりだ。上級者向けのものについては、ぜひ注意深く実践し、賢く効率化しよう。
取材協力
平野 友朗(ひらの ともあき)氏
一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事
株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役
筑波大学卒業後、広告代理店勤務を経て独立。ビジネスメール教育の第一人者。メディア掲載1000回以上、『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)をはじめ著書26冊。メールのマナー、営業力アップ、効率化を中心に官公庁や企業などでのコンサルティングや講演・研修は年間120回を超える。
株式会社アイ・コミュニケーション http://www.sc-p.jp/
一般社団法人日本ビジネスメール協会 http://businessmail.or.jp/
ビジネスメールの教科書 https://business-mail.jp/
取材・文/石原亜香利