昨年から続々と発売されている5万円台の激安4K大画面テレビ。話題になるだけでなく、売り切れも続出だという。そんな激安テレビは買いなのか!? AVライターが本音でジャッジした!
[テストした人]
オーディオ・ビジュアルライター 折原一也さん
オーディオ専門誌やWebメディアでテレビやレコーダーを中心としたAV機器のレビューを精力的に行なう。
◎激安テレビの中では画質はよいほうだけど……
50V型の大画面、しかも4K解像度のテレビが5万円台で買える。そう言われると魅力的に感じる方も多いようです。ただし画質や音質を考えると、コストパフォーマンスが高いとは言えず〝価格なりの製品〟だなと評価しています。
まず画質について。今回視聴したドン・キホーテのテレビは、激安テレビの中ではマシなほうです。それでもスポーツ映像を見ると動画のブレが激しく、すぐに目が疲れてしまいます。また大手メーカー製テレビでは当たり前の「HDR(ハイダイナミックレンジ)」規格に対応せず、バックライトのエリア制御も全く行なっていません。そのため明暗の表現がチープで、宇宙のように本当は漆黒に表現されるべきシーンでも、白っぽさが目立ってしまいます。
最も気になるのが、画面の四隅に4mm幅ほどの枠ができること。アニメやCMなど単色ベタ塗りの映像では誰もが気づくはず。こうした一目瞭然な弱点があってもいいのか? と思います。
そもそも液晶パネルというのは欠陥だらけのデバイスです。地上デジタル放送で送られてくるデータも、ソースとしてはよいものではない。大手メーカー製テレビは、それを映像エンジンなどでリアルタイムに処理をしていき、キレイな映像を作り出しているんです。もちろん、大手メーカー製にも画質の良し悪しはあります。それぞれ100点、80点、60点の画質のモデルをラインアップしています。でも60点が最低ラインで、誰もが「このテレビの画質、悪いな」と感じるようなモデルは作っていません。激安テレビの画質は、あえて言えば20点とか10点です。
次に音質も悪いです。音のヌケが悪く、画質と同様で少しモヤっとした明瞭感のない音です。特に人の声が聞きづらい。だから、どんどんボリュームを上げることになります。画質は、ある程度は店頭で確認できますが、うるさい店頭で音を見極めるのは難しいし、スペックを見てもわからない。だからここでハッキリと言っておくと、音は致命的に悪い。
とはいえ50V型で5万円という選択肢はほかにありません。画質や音質は悪くてもいい、という人には買いなのでしょうね……。
〜DIMEの視点〜
安い=高コスパではない。予算は5万円だけど50V型の大画面を自宅に置きたい人にはオススメ。
●世間を騒がせた50V型激安4Kの代表モデル
情熱価格+PLUS
『50V型ULTRAHD TV 4K液晶テレビ LE-5060TS4K』5万4800円
ドン・キホーテの2代目となる4K大画面テレビ。メインボードが東芝製で、番組表などの表示が『レグザ』と共通。地デジチューナーを2基搭載し、外付けHDDをつなげればテレビ番組の録画や予約録画も可能になる。