■男女脳の違いから知る仕事における異性と関わり方
この男女の差についての違いを踏まえ、仕事において男性が女性と関わるとき、そして女性が男性と関わるときそれぞれについて、どのようなことに気を付けてコミュニケーションを取るとスムーズにいくだろうか。
その一つの方法として、男性脳と女性脳の違いを知り、取り入れるという方法がある。
そこで、男女脳の違いの研究を行っている株式会社感性リサーチ 研究員の手塚祐基氏に、男女それぞれの関わり方のコツを教えてもらった。ぜひ参考にしてみよう。
●男性が女性と関わるときのコツ
1.共感する・相槌を打つ・オウム返しをする
「女性脳は、信頼できる人たちと人間関係の良い職場環境で実力が発揮できるので、まず、彼女たちが心地よく感じる会話を心がけましょう。つまり、相手の言ったことに共感することです。共感がむずかしい場合は、傾聴のスキルの『相槌』・『オウム返し』を使ってください。自分はそうは思っていないから『相槌』は打てない、などと重く考えなくてもいいですよ。でも『なるほどですね。』ばかり連発するとか、『あ~、そうなんだ。』しか相槌が出ないのは、相手をムカつかせるのでダメです。『いいね、その展開。』『うん、わかるな~。』『え~、それは大変だったね。』など、使い分けてください」
2.女性の部下を評価するときは注意
「女性脳は、プライベートを大切にして、仕事は二の次のように感じるときがあるかもしれませんが、プライベートの充実が、実は仕事のモチベーションアップやアイデアにつながるので、男性脳社員を評価するのと同じ尺度で測って評価してはいけません」
●女性が男性と関わるときのコツ
1.頼りにして何かを手伝ってもらう
「男性脳は、責務を果たすことが生きがいになるので、自分の役割がはっきりとわかっていると俄然(がぜん)やる気が出ます。男性脳には頼りにして、何かを手伝ってもらいましょう。例えば重い荷物を持ってもらうなどのように、できればいつも同じ種類の仕事で手伝ってもらうときには必ず一声かけて、相手が何をすればよいかわかるように端的に伝えるのがポイントです。何も言わないと気づかないので、手伝ってもらえません。また、遠回しにお願いしたり、複数のことを付け加えて話したりすると、何をしてほしいのかがわかりにくくなるので『何をどうする』と明確に伝わるように言ってください」
2.ルールを外さない
「男性脳は担当した仕事のゴールがどこで、どんなルールに則って行うかを想定しています。ですから、想定外のことやルールを無視するような指示を男性脳にすると不快にさせてしまいます。報告は結論から、などの男性脳社会のルールを外さないようにすると相手を不快にさせないで済むようになります」
取材協力
手塚祐基(てつか・ゆき)氏
株式会社感性リサーチ 研究員
21年間の腕時計デザイナーを経て、2006年より男女脳の違いや感性変化による流行周期の研究を企業のダイバーシティ部門や商品企画部門に提供している。筑波大学、工学院大学、東京大学大学院情報学環などのゲスト講師も務める。
取材・文/石原亜香利