買い物の際、どのような基準で選んでいるだろうか。価格や利便性、品質などあらゆる項目で選んでいることだろう。しかしどうしても欲しいものを見つけると、途端にあらゆる項目がどうでもよくなることがある。そこで今回は、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーに、どうしても欲しいものが生まれたときの対処法や通常の買い物の仕方を聞いてみた。
■本当に欲しいものが生まれたらどうしている?
冷静な判断が効かないほど欲しくて仕方がないものが見つかったとき、お金の専門家はどうしているのか。10万円以内のものに限定して、ファイナンシャル・プランナーの松岡紀史氏に答えてもらった。
「基本的に購入する方向で考えます。それほど欲しいものの場合、買うのを先延ばしにしても、買おうか買わないかずっと悩み続けることになると思うためです。しかし、家計の収支では、毎月の収入より支出の額が大きくなることだけは避けたいので、買う前にまず『それを買ったら何を我慢しなければならないか』を考えるようにしています。私の場合、削るのは食費になることが多いのですが、私にとって食費を削ることは相当生活に無理が生じるため、本当に欲しいものを買うときにはそれなりの覚悟が必要になります。貯金を減らすことやボーナスなどで帳尻を合わせようとしないことが大切です」
■「衝動買い」「買って後悔」よくある失敗の回避術3つ
実際のところ、冷静なときは大丈夫でも、衝動買いしたくなるほどの欲しいものが目の前に現れたときに失敗してしまうのが人の性というもの。そんな衝動買いや買って後悔する失敗を回避するにはどうすればいいか。
1.セール品は買わない
「まずセール品は買わないことです。『40%オフ』などの表示を見ていると、本当にその商品が欲しいのか、ただ安くなっているから欲しいのか、区別できないことが多いためです。おそらく本当に欲しいものなら定価でも買うでしょう。『定価で買う』と決めておくと『安いから買った』という後悔をなくせます」
2.店頭に赴き、現金で買う
「ネットではなく店舗まで行って現金で買うことも大切です。『店頭では買おうと思わなかったけれど、家に帰ってからネット上で、カード払いで買ってしまった』というものは、明らかに必要ないものです。店頭で現金を払う『痛み』が無くなったから、安易にネットで買ってしまっただけです」
3.睡眠不足を避ける・部屋の整理整頓をする
「直接関係ないと思われるかもしれませんが、生活は整えておいたほうがいいでしょう。睡眠不足だと無駄遣いの衝動に我慢しにくくなること、居住空間が乱雑だとストレスによる衝動買いをしてしまいやすくなることがわかっています」