■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆全室キッチン、ダイニング付きの滞在型ホテル
世界人口の増加や新興国の発展に伴い、海外旅行者は増加の傾向にあるが、訪日外国人旅行者も増大しており、2017年は対前年19%増の2869万人が日本を訪れた。日本政府目標値として2020年のオリンピックイヤーは4000万人、2030年は6000万人を掲げている。
訪日外国人の旅行同行者の内訳を見ると60%が家族や友人といった3名以上のグループだが、日本の宿泊施設では4~6名のグループが連泊をするときに対応する施設の供給が少ないのが現状だ。こうしたニーズに対応する施設が、住宅開発を行ってきたコスモスイニシアが展開する、4~6名の連泊滞在型アパートメントホテル「MIMARU」。第一弾となる「MIMARU東京上野NORTH」が2月8日にオープンした。
JR上野駅の入谷口から徒歩5分ほどの場所にあり、1LDKタイプを中心とした4人部屋、6人部屋の5タイプ全40室。全室にキッチン、ダイニングスペース、調理器具、食器を常備し、部屋の中で食事を作ったり、ウーバーイーツや寿司などの出前の食事を楽しむといった“暮らすような滞在”を提案している。バス、トイレも全室セパレートタイプ。下記画像は2段ベッド付きの6人タイプで約50m2あり、ビジネスホテルやツインルームの4倍ほどの広さ。グループが同じ部屋に泊まれる、開放感、自由度があるなど、グループ客のニーズに応える仕様となっている。
スイートにあたるプレミアムは2室で共に6人部屋。掘りごたつのある「ジャパニーズ プレミアム6」と、リビングのある「プレミアム6」で、100cmのハリウッドツインタイプのベッドと2段ベッドの構成。
また持ち出し可能なスマートフォンが1部屋に1台用意されており、周辺環境の案内や、多言語で対応するチャットボットのAIコンシェルジュ機能、出前の注文や、ホテルの内線としても機能。国内の通信、通話は使い放題で、国際電話は中国、香港、台湾、韓国、タイ、アメリカへは無料通話ができる。
室料はルームチャージで人数に関わらず同額を設定。平均すると3万円台で、時期や休日によって異なる。4人部屋で2~4万円、プレミアムで3~5万円を予定している。昨年11月から予約を開始。ブッキングドットコムなどのオンラインのトラベルエージェントや、自社サイト、Facebookからの直接予約も可能。現在のところ予約の8割は外国人だが、GWや土日、連休などは、東京観光に訪れる日本人の予約が全国から入っているとのことだ。