2.予定変更
(1)相手都合・自分都合のどちらで決まったかを考え謝罪
「まず、状況を考えます。自分が相手の都合を優先して決めた日程であれば、『その日であれば大丈夫であると申し上げておきながら』など、自分も大丈夫だと伝えたことへの謝罪が必要だと考えます。反対に、自分の都合に合わせてもらったなら『予定を調整していただきながら、勝手を言って申し訳ない』と謝罪の気持ちを伝えます」
(2)次の日程の取り決めは相手優先で
「いずれにしても、次に決める日程は相手のスケジュールをできるだけ優先するようにします。いくつか候補を出してもらい、それに自分が合わせるようにすると良いでしょう」
3.反対意見
(1)まずは相手の意見を受け止める
「いくらこちらの言い分があるとしても、また、その言い分が正しいと思えても、まずは相手の意見を受け止めるようにします。『なるほどそのような考え方もできますね』『そのような見方もできますね』と、イエスではなく『そのような考えもありますね』ということを相手に伝えます。いきなり『そうはおっしゃいますが』『それは違いますよ』では相手を否定することになってしまいます」
(2)こちらの意見を伝える
「相手の意見を受け止めた上で『わたくしといたしましては』と、こちらの意見を伝えるようにします。こうすることで、相手はこちらの意見に耳を傾けやすくなります」
4.苦情
(1)相手を責めない
「『どうして?』『なんで?』は相手を責める言葉です。また、追い詰めることにもなりかねません。苦情を言うときには、その背景に相手に対して『こうしてほしい』というこちらの要望があるはずです。相手を追い詰めてしまっては、その先への進展がなくなってしまいます」
(2)残念な気持ちを伝える
「『残念だ』というこちらの気持ちを伝えるようにしてみてはいかがでしょうか。『○日までに納品していただけず、誠に残念です』という具合です」
(3)譲歩する
「100%思い通りにはいかないまでも、どこまでならできるのかを確認し、それを実行していただけるようにこちらも譲歩することも必要だと思います。『改めて、いつごろまでお待ちすれば、納品していただくことができますでしょうか』というように相手の状況をたずねます。もしかしたら、立場が入れ替わることがあるかもしれません。責めるのではなく、前に進めるように意識してみてください」
5.辞退
(1)まずは感謝の気持ちを伝える
「『招待』されるというのは特別なことです。『仕事の依頼』も、たくさんの企業の中から選んでいただいたのですから、大変光栄なことです。ですので、辞退をする場合でもまずは感謝の気持ちを伝えるようにします。その上で『残念ながら…』と、辞退の旨をお伝えするようにすると、印象が良くなります」
(2)「次はぜひ」の言葉を添える
「これからも良い関係を続けていきたいという思いがあるのであれば『いつ頃なら大丈夫』という状況を伝えたり、『次の機会を楽しみにしている』『次回はぜひ』という言葉を添えたりするようにします。ただし、ただの社交辞令とならないよう、次に声がかかったときには、ぜひ優先するようにしましょう」
各メールには、気持ちのステップがあることが分かった。ただ定型文を送るだけでなく、これらの気持ちのステップを意識してメールを送ってみよう。
取材協力
花井美代子(はない みよこ)氏
一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師
医療系サービス会社の取締役として人事、社員教育に携わった後、一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師資格を取得。医療業界における人事・社員教育の経験を活かしたビジネスメールの指導が得意。
一般社団法人日本ビジネスメール協会 http://businessmail.or.jp/
取材・文/石原亜香利