メールで伝えにくい内容を伝えるとき、相手が不快に思わず、こちらの言いたいことを明確に伝えるにはどうすればいいか。ただ定型文を使うだけであれば誰でもできる。ワンランク上のメールを返すための気持ちの持ち方のステップを、一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師である花井美代子氏に聞いた。
■伝えにくいメールの内容5選
伝えにくい内容をメールしなければならないとき、やけにメール文を打つスピードが遅くなることはないだろうか。そんなシーンを5つ挙げる。
1.謝罪…何らかのミスが判明したとき、相手が求める結果が出なかったときなど、相手に謝罪したいとき。
2.予定変更…急な予定が入りミーティングなどの日時を変更してほしいとき。
3.反対意見…苦情が寄せられたが、こちらとしても言い分があり、反対意見を述べたいとき。
4.苦情…クレームを伝えたいとき、こちらの要望に沿ってもらえなかったとき。
5.辞退…何らかの招待や仕事依頼などに対して、都合により辞退したいとき。
■脱定型文!伝えにくいメールを送るときの気持ちの持ち方
これらの伝えにくい内容を相手に伝えたいとき、頼りがちなのがメールの定型文。確かに役立つが、そもそもどのような気持ちで書くか、文面を用いるかが重要になってくる。そこで花井氏に、気持ちの持ち方のステップをそれぞれ教えてもらった。
1.謝罪
(1)次につなげることを意識する/責任転嫁しない
「こちらのミスや不手際で、相手に迷惑をかけたり、結果を出すことができなかったりしたときは、ただ謝るのではなく『次につなげること』を意識することが必要です。そのためには、言い訳はもちろん、責任転嫁することのないようにしなければいけません」
(2)対応案を提示する
「問題が起きたときに相手は、『じゃあ、どうしてくれるのか?』ということが気になります。ですので、ただ謝るだけではなく『対応案』を提示するようにします」
(3)改善策を提示する
「もちろん、このようなミスがたびたび起きては問題ですので『改善策』も考えなければいけません。改善策を提示することで、相手・取引先はこの先も安心して取引を続けることができます」
(4)安易な言葉を使わない
「その際にも、『今後このようなことは絶対ないようにします』などと言い切ってしまうと、万が一次にトラブルが起きたときに問題となります。安易な言葉の使い方で、自分の首を絞めることのないように意識することが大切です」