■Parts
いよいよキットの製作に入るが、その前に真空管を用意する必要がある。300Bは手持ちのストックを使うとして、「12AU7」と「12AT7」が必要。整流管を使うなら「5AR4」も必要だ。ちなみ本キットは真空管用のソケットに挿せるダイオードモジュールが付属するため整流管がなくても動作する。JJかGTか、エレハモかで悩むが、ロゴが渋いという理由でエレハモ(Electro Harmonics)に決定。「5AR4」はサウンドハウスで販売しているBUGERAを選んだ。300Bも動作確認用にPSVANEのマッチドペアがAmazonで1万6599円と格安だったので購入。後に外見重視でエレハモの整流管「5U4GBEH」もゲットした。
『SV-S1616D』に必要な真空管、左から整流管「5AR4」、初段に使う複合管「12AU7」2本と「12AT7」、出力段に使う三極管「300B」2本となる。
キットは今まで作ったなかで最も重量級なため製作場所を確保して、トランス類を厳重に養生した。マニュアルは大判のカラープリントで見やすく親切。ハンダ付けする前に何度も最後まで読んで、どの配線がどこにつながるのか、いつハンダ付けすればいいのか、配線はラグ板の上の穴か下の穴かなどを確認しておこう。私は最初、これに気付かず全部ラグ板の上の穴にハンダ付けしてしまい、やり直した。実際に作ってみるとサブシャーシのありがたさが分かる。取り回しが簡単で好きな位置からハンダ付けできる。これらの部品が全部シャーシに付いていると考えるとフルディスクリートはなかなか大変そうである。
キットの内容を広げてみる。抵抗やコンデンサーなどはさらに小分けにされている。トランスケースなどキズ付きやすい部品はていねいに梱包されていた。
とりあえず準備した工作台と工具一式。基板を使うキットよりパーツが大きいので、今回は拡大鏡の出番はなかった。
次回はいよいよ製作編に突入!
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!