◆8年、13年のラベル表記は日本だけの販売
日本で展開しているワイルドターキーのプロダクトラインナップは6種類。ブランド誕生から変わらないレシピの「ワイルドターキー 8年」(50.5度/101プルーフ)と、ラッセル親子が手掛けたプレミアムバーボン「ワイルドターキー 13年」(45.5度/91プルーフ)については、エイジングをラベル表記しているのは日本だけだ。
「8年熟成は1970年代中盤から作り始めた。8年のラベルがあるものは8年以上の熟成のものしか使わず、101プルーフで作っている。13年熟成はソフトで甘みを感じる91プルーフで作っている。もともとワイルドターキーといえば、12年熟成101プルーフと記憶している人も多いと思うが、12年ものの原料入手が難しくなり、アメリカでは12年ものは供給できず廃版となり、表記はプルーフの101のみになった。しかしジミーが日本はプレミアムの高いものを好む市場だという判断で、日本ではエイジング表記を残して販売している」
やわらかな口当たりで飲みやすい「ワイルドターキー スタンダード」は6年半の熟成で40.5度。ライウイスキー「ワイルドターキー ライ」(アルコール度数40.5度)はカクテルの材料としても人気がある。ライウイスキーはアメリカで最初に作られたウイスキーでしばらくは下火になっていたが、バーテンダーがさまざまなカクテルを作るのに使い始めて若い世代や女性にも注目され、再び脚光を浴びている。コショウぽいスパイシーさがライの特徴。
「ワイルドターキー レアブリード」は父のジミー氏が20年以上にわたってアメリカ本土や世界各国を訪ねてどんなバーボンを飲みたいかと調査したところ、樽からそのままボトリングしたものが欲しいをいう意見が多かったことから生まれた。58.4度(116.8プルーフ)で、6、8、12年の原酒をブレンドして一切加水しないでボトリングしている。
「ワイルドターキー ケンタッキースピリット」は8.5~9.5年熟成した樽からセレクトしたシングルバレルバーボン。度数は50.5度(101プルーフ)。通常は100樽程度をブレンドするが、これは一樽ずつ別々にボトリングしたもの。日本では3月下旬に発売する。トレードマークの七面鳥の尾羽をモチーフにしたデザインも秀麗。
「他社と違いマッシュも酵母も1種類だけ作っているので最終的な違いはエイジングによって決まる。ケンタッキーの夏は気温がとても高い。気温の変化もすべて自然に任せている。7階建ての熟成庫を使っているが、最上階は暑くなりウイスキーも温度が上がるがその結果、木の内部にウイスキーが入っていき、よりスパイシーでウッディ、スモーキーな特徴が出る。一番下の階は1日、年間を通して温度変化が少なくもっとも涼しい状態で熟成が進み、スコッチやアイリッシュのウイスキーに近い個性が出る、軽やかで飲みやすいタイプとなる。ケンタッキースピリットはシングルバレルなのでより甘みや味わいを持った樽を探すが、中間階でよりよい味の樽が見つかることが多い」(エディー氏)