もうひとつ、強めの「だし」が山形県民に愛されていることも見逃せない。それは玉こんにゃくを作る際、スルメを入れることに表れているように、実は山形県民は強いだし味が好き。だから味マルジュウは味・香りとも強めの宗田節を使っている。
同じく山形県民が愛するそばのつゆも、東京のような辛つゆより、魚粉の香りがぷんぷんする味が主流とか。なるほど、知れば知るほど奥深い。
なお、最近は醤油業界の流行である小さな容量(200ml)入りボトルがよく売れているといい、同社もすぐに対応。健康志向の高まりにより減塩醤油に注目が集まればイオン交換膜を使い、うまみそのままに塩分を取り除く技術を採用するなど、時代の流れに合った改革を続けていることにも注目したい。
取材協力:株式会社 丸十大屋
公式HP http://www.marujyu.com/jp/
文・写真/西内義雄
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。