ちなみにHVモデルにはAC100V/1500Wコンセントが用意され、コーヒーメーカーや電気ポットなどの家電品が車内外で使えるため、眺めのいい場所にオデッセイHVを停めれば、そこが“どこでもカフェ”に。災害時には3列シートの車内をアレンジすることで広々としたリビング、ベッドルーム、“マイ避難所”になりうるのだから心強い。
そんなオデッセイは、ライバルメーカーのミニバン開発者いわく「ミニバンの皮をかぶったスポーティーカー」と言わしめるだけあって、両側スライドドアを備えつつ低重心パッケージを生かしたフットワークはかなりスポーティー。その分、乗り心地はやや硬めになるものの、しっかり感溢(あふ)れる重厚かつ高級感ある大人の乗り味を示してくれるから頼もしい。
HVモデルでゆったりと高速クルージングを行えば、16km/Lはいく燃費性能も見逃せないセールスポイントと言える。
が、ここで声を大にして言いたいのはそこではない。そう、7人乗りの2列目席に採用される“プレミアムクレードルシート”の真実についてである。
国産大型ミニバンはこぞって2列目席にぜいたくなシートをおごっているが、中でも“プレミアムクレードルシート”は最上級のかけ心地と寝心地!?を堪能させてくれる極上のシートなのである。
もっとも低い部分で地上29~30cmのワンステップフロアからオットマン付きの背もたれが中折れするクレードル形状の“プレミアムクレードルシート”に乗り込めば、そのふんわりとしたかけ心地に感動できるはず。2017年11月のマイナーチェンジではヘッドレストが大型化され、足元にはスマホやペットボトルが収納可能なポケットを新設定。一段とリラックスできるファーストクラス感覚の空間が演出されている。
そのかけ心地の秘密は表皮裏に厚さ約3cmのソフトウレタンが張られているためで、お尻が前方にズレにくく(座面がやや前上がり形状)、走行中も体全体を優しく包み込むようにサポートしてくれるから快適だ。室内高の余裕から2/3列目席ともにフロアからシート座面までの高さ(ヒール段差)が十分にあり、掛け心地が自然で、結果、立ち上がり性も文句なし。足腰が弱い人や妊婦さんにもうれしいシートなのである。