■ビジネスにおける1対1の会話シーンで相手に飽きさせないポイント
顧客や上司、同僚、部下などの1対1の会話シーンでは、人前で話すときとどう違うのだろうか。宏洲さんに、1対1の会話のときに相手を飽きさせないポイントを聞いた。
1.自分のことばかりを話さない
「ある程度の自己開示は必要ですが、人は『自分の話を聴いてほしい』と思っているので、対話をする、つまり会話のキャッチボールをするという気持ちでいることがポイントです」
2.話を聞いているときには、あいづちや励ましを行う
「心が相手を見ていない、表面だけの対応は、相手に伝わってしまいます。愛のある対応は相手の心をグッとつかむことができます」
3.アイコンタクトを取りながら相手の話を聞く
「私は2年前まで小学校教師でしたが、小学生には『話は、目と耳と心で聞く』ということを伝えてきました。アイコンタクトはとても大事です」
4.小6が理解できるほど分かりやすく話す
「むずかしいことを話すときには、小学6年生が理解できるような易しい言葉に置き換えて、専門的な言葉は使わないように、簡単にわかりやすく話すことが大切です。ポジティブな言葉を使うのも効果的です。誰でも、ネガティブな話を聴くのはうんざりするためです」
5.一文を短くする
「だらだらと話をしていると、何が言いたいのか相手には伝わりません。伝わらないと、相手はだんだんと話に興味が持てなくなり飽きてきます。一文が長いとなおさら伝わらないので、一文を短くすることが大前提です」
聞き手が飽きる、眠そうということは、まさに自分の話し方や話の内容が面白くなく、引き付けられるものがないサインである。心当たりがあれば、ぜひ今回のポイントを実践してみよう。
取材協力
宏洲千秋(ひろしま・ちあき)さん
元小学校教師。現在は、起業女性のための起業スタートアップサポートに力を入れており、鹿児島市内で「コレミラ」(「これからの未来を自分らしく輝く」をコンセプトにコミュニティを主宰。学びのあるランチ会やお茶会も開催。長年の教師経験を活かしてセミナー講師の育成も手がけている。また、部活を頑張る子ども達のママ向けに「ホームケアセラピスト講座(親子コミュニケーション術)」も開催。
http://hiroshimachiaki.com/
取材・文/石原亜香利