『イボ痔にはイボ痔ならではの快感がある!』
湯船とサウナのイボ痔に働きかける感覚の違いをわかりやすく説明すると、湯船は文字通り“ぬるま湯に浸かってる”感覚。
そのぬるま湯に浸かって、甘やかされている感じがイボ痔には非常に気持ちいいんだけど、あえていうならば、ガツーンと患部を治療している感覚があんまりない! まぁもともと治療で入ってるワケじゃないんでそこまで求めてないんだから、それでも全然かまわないワケだ、サウナのイボ痔効果を知るまでは!
サウナのイボ痔に対する感覚は、もうイボ痔のイボの芯の病巣を熱で叩いているような感覚がある。熱がイボを死滅させてるようなイメージなのだ。
湯船がイボ痔のイボの痛みを“ごまかしている”のならば、サウナは痛みの大元を“ブッ殺そうとしている”ってくらい違いがある。
湯船で暖まった後のイボはキンキンがフワフワになったような、柔らかくなる感じなんだけど、サウナで熱せられた後のイボは、膨らんだ風船が収縮して固くなったような感じがする。
そして水風呂! 痔にとって冷やすことは禁物といわれているが、それは血行がわるくなるからで、温冷の交代浴は逆に血行を促進させるのでやってみた。
ますますイボがキ〜ンと縮こまり収縮していくような感覚がわかる! 3ラウンド程のサウナと水風呂を繰り返し、家に帰ってからジックリとイボを触ってみる。
ビー玉が確実にパチンコ玉になっている!! 本当は翌日にでもまたサウナに行きたかったのだが、年末年始のゴタゴタがあって5日後。今度は温泉付きの銭湯サウナに行ってみた。そして水風呂の後に温泉も取り入れてみた。
もちろん温泉がイボ痔に効果的なことはもうこれは認められているんで、安心して入った。その銭湯の温泉浴槽は、ブクブクと底から泡が出てくるバイブラなんだけど、たまたま湯船に腰を下ろしたら、肛門が泡の噴出口の真上に来ましてね。ブクブクブクブクと温泉がオレのイボをマッサージしてくれる。
これが気持ちイイ! こればっかりはイボ痔になった人にしかわからない快感ですよ。むしろ、イボ痔になって「良かった!!」と思うくらいですよ。で、温泉で暖まって、水風呂いって、休憩したらまたサウナ行って水風呂いって温泉いって水風呂行って休憩して……家帰ってイボの大きさを確認したら、パチンコ玉が、デッカイ鼻くそくらいになってやがった!! サウナ&温泉はイボ痔にとって、もうキラー兵器ですよ。
よく「サウナって健康にいいの?」って聞かれて、そのたんびに面倒臭い説明してたんだけど、もうこれからの答えは単純!!
「イボ痔にイイ!!」
あくまで個人の感想だけど、オレはそう答えることにした。
今、ほぼ完治したイボを触診するたび、なにか大きかったあの頃が懐かしいくらいだもん。あまりにもすぐに小さくなったんで、あの大きさが名残惜しいといってもいい。そのくらいイボ痔にサウナ、これはイイ!! そしてオレはその事をこれから声高に訴えていこうと思ってます。
ただサウナ上がりにもやっばり痔の薬を患部に塗るからさ、脱衣場で回りの人に悟られないようにして、手に薬のチューブを隠し持ち、トイレに行って塗ってる時は、なにやら情けない。
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。
■連載/カーツさとうの最強サウナ熱伝