無事、日和山の登頂に成功した! 登った時間はおそらく2秒もかかってないだろう。日本一低い山はやっぱり低かった。
しかし、日和山はこう見えて、国土地理院の地図上にちゃんと日和山の表記があり、標高が3mと定められている立派な山なのだ。漁師が海の天気を見るために利用したのが、全国各地にある日和山の語源とされており、この蒲生の日和山も同じような利用をされていたのだろう。
実は、ここ日和山はかつて大阪にある天保山に「日本一低い」称号を奪われていたのだ。しかし2014年に再び日本一に返り咲いた。その理由は、東日本大震災なのだという。
元々は6mあまりもあった日和山が津波の被害に遭い、現在の標高まで下がってしまったというのだ。そのため、日本一低い山になったわけで、写真でしか見たことがないが、震災以前の日和山とは全く違うものになってしまった。
しかし、看板には「”我望” 山は残った、復活ダッ!」と書かれていた。確かに低くはなったが震災に耐えた山。3mと低いけれど、偉大な山だと思う。
仙台で登った高くて低い不思議な2か所。どちらも立派に日本一でした。お時間あれば一度行ってみてはいかが?
文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)
アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。
※記事内のデータ等については取材時のものです。