ゴールデンウイークの行楽で長時間マイカーを運転した後で、ひどい首のこりを感じたり、頭痛やめまいに悩まされてはいないだろうか?
数日で回復する「ちょっとした疲れ」であれば心配ないが、身に覚えのない不定愁訴が持続するようであれば、「ドライブ首」を疑ったほうがよいかもしれない。
ドライブ首とは、ハンドルにシートを近づけすぎて前かがみなるとか、シートを倒しすぎた状態で長い時間運転することで、首の筋肉がこり、頚椎の中心にある「副交感神経センター」に異常を生じた状態をいう。副交感神経は、内臓や血管の働きをコントロールする重要な神経のひとつで、この働きが阻害されると、様々な不定愁訴や疾患にかかるリスクが出てくる。
ドライブ首を命名し、多くのドライブ首患者の治療に携わってきた、東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医学博士によると、ドライブ首がもとで起こる疾患は17種類もあるという。それには、緊張性頭痛、めまい、不眠症などのほかに、意外にもパニック障害や過敏性腸症候群も含まれる。
ドライブ首を予防するには、正しい運転姿勢をとることが肝心。シートをハンドルに近づけすぎず、かといってシートを倒しすぎず、頭が自然に首に乗っている状態を保つよう心掛けたい。そして後述する「ネックリラクゼーション」を、サービスエリアでの休憩時や信号待ちを利用して行う。これによって、ドライブ首は未然に防げる。
また、「ふだん運転しないから大丈夫」という人でも、スマホの使い過ぎで同じような症状が起こるというから注意が必要だ。こちらは「スマホ首」といい、うつむき加減でスマホをながめているうちに、やがてドライブ首同様の疾患をもたらす危険性がある。
そこで、ドライブ首とスマホ首に共通するトラブルを予防するために、松井孝嘉医学博士が考案したのが「ネックリラクゼーション」。ドライブや仕事・勉強の合間に座ったままで行える手軽な方法なので、ぜひ習慣化してほしい。