企業に勤務していれば、何回か「これは経費で落ちるかな」と悩む機会が訪れるもの。自分自身のお金ではないので、軽く考えがちな「経費」だが、知らぬ間にグレーゾーンに踏み込むこともあって注意が必要だ。今回は、知らないでは済まされない、経費にまつわる掟を幾つか紹介したい。
●QUOカード付宿泊プランで得たQUOカードは?
Q:出張旅費の規定で、1泊あたりの宿泊代の上限が1万円であるとする。つまり1万円までは、どこに泊まろうが経費が出る。このとき、1泊7千円の宿泊費のホテルに決め、オプションで3千円のQUOカード付宿泊プランにした場合、1万円が経費として出るだろうか?
A:社内規定の煩雑化を避けるため大目に見る会社もあるかもしれないが、厳密に言えばNG。QUOカード分の3千円は経費として認められず、純粋な宿泊費のみが出る。しれっと1万円の領収書を出して、あとでQUOカードのことがばれたら懲戒対象になりかねない。
●カフェでひとり仕事をしながらコーヒーで一服したら?
Q:社内の喧騒から離れ、静かなカフェにノートPCを持ち込み、明日のプレゼンについて検討した。この場合、コーヒー代は経費として認められるだろうか?
A:実は、パソコンに向かってぼっちで仕事をしたのであっても、コーヒー代と茶菓1個くらいは会議費として経費にできる。ノマドワーカーのような個人事業主なら、これを経費に計上するのは問題ないが、会社勤めの人は必ず社内規定を確認すること。税務上は経費にしてもOKといっても、社の風紀上それはどうかと考えるところは多いはず。
●食堂でひとり仕事をしながら定食を食べたら?
Q:仕事が立て込んで昼食を食べる間もないくらいだが、お腹が減ってどうしようもないので、定食屋にノートPCを持ち込み、日替わりランチを頼んだ場合はどうだろうか?
A:仮にノマドワーカーであっても、食事になると話は全く変わる。これは個人的な支出となり、経費として認められない。ただし複数人が、定食屋やレストランで食べながら打ち合わせをした場合は、会議費扱いにできる(これも社内規定を確認してから)。