昨今は、英検やTOEICのように、英語力が試される試験がもてはやされる時流だが、その陰で注目度を増しているのが、漢字検定(漢検)。漢検は、ずばり漢字の読み書きの習熟度を測るテストで、1992年に文部省認定資格となった。7級から準1級そして1級までの8ランクあり、大学生や若手社会人なら2級合格程度の実力を持つことが、目標の目安とされている。
調査によれば、上場企業の453社、つまり約2割の上場企業が、漢検の合格実績を新卒採用の評価指標ととらえており、基本的な言語力とともに、「目標に向かって学ぶ意欲」の有無を知る手段としても重要視しているという。あえて手書きのエントリーシートを書かせる企業も増えているが、これは正しい漢字を書けているかを確かめる目的があるという。スマホの予測変換だのみで、漢字力・語彙力を低下させっぱなにしている就活生にとって、漢字力の向上は喫緊の課題と言えるかもしれない。
また首尾よく新社会人となった後も、「社会人基礎力」の一環として漢字力を育成することで、企画プレゼンや調査レポート作成の場で、その力を発揮させる機会がいくらでも出てくる。そういう意味でも、会社勤めの傍ら、より上のランクの漢検合格を目指すの大きな意味を持つだろう。
さて、以下の設問は、最近の漢検2級問題で出題されたものの一部である(一部改変)。いくつ正解できるだろうか?
Q1:下線部の読みを記せ。
a. 冶金は有史以前に始まった。
b. 拾得物を交番に届ける。
c. 現在の境涯に自足している。
d. 漏電に因る火災が多発している。
e. 棟上げ式で餅まきがあった。
Q2:カッコ内に漢字2字を入れて、四字熟語を完成させよ。
a. 生生( )
b. 籠鳥( )
c. 国士( )
d. ( )済民
e. ( )大悲
Q3:下線部を漢字に直せ。
a. 家宅ソウサクして証拠物を押収する。
b. 戦に敗れてユウシュウの身となる。
c. 風雨をオカして出発した。
d. 敵をカイジュウする策が功を奏した。
e. 辞表を出した部下をホンイさせた。