コーヒーやエナジードリンクなど、カフェインを含むドリンクについて、これほど都市伝説めいた情報が流布している食品は、他にはないかもしれない。様々な誤解が一人歩きしている面もあるので、今回はカフェイン飲料について、意外と知られていない6つの事実を紹介したい。
その1:カフェのコーヒー1杯のカフェイン量はまちまち
病理学者のブルース・ゴールドバーガー博士は、近所のスターバックスで6日間連続して同じ商品を買いカフェインの含有量を調べたところ、かなりのばらつきがあることが分かった。少ないもので260mg、多いもので564mgもあったという。別の国の同様の調査では、51mgから322mgまでと、最小と最大で6倍の開きがあった。こうなる理由は、同じコーヒーの木でも、カフェイン含有量に大きな個体差があるため。この事実は、ある日はコーヒーを飲んだら気分がスッキリし、別の日は気分に変化が生じなかった、という現象の説明になるかもしれない。ちなみのスターバックス公式サイトでは、1オンス(約28g)につき20mgのカフェイン含有としか記されていない。
その2:エナジードリンクのカフェイン量はそう多くない
エナジードリンクは、コーヒーやコーラのような古くからあるドリンクに比べて、べらぼうにカフェイン含有量が多いイメージがある。しかし実際は、『バーン』や『レッドブル』1缶は80mg、『モンスターエナジー』1缶は140mg。それに対し、カフェのショートサイズ(240ml)のコーヒーで140mgに達することはあるし、玉露はその半分の量でも100mgを超える。ただし、日本では販売されていないエナジードリンクの中には、1缶で200mgを超えるカフェインが入ったものがある。
その3:コーヒーやお茶を一番飲んでいる国民は?
「コーヒー党の多い国は?」ときかれたら、アメリカを連想するかもしれない。確かに全体的な消費量では、アメリカは有数のコーヒー大国だが、1人あたりの年間消費量で見るとフィンランド人に軍配が上がる。次いで、ノルウェイ、アイスランドと続く。フィンランドでは法律で、雇用者は従業員にコーヒーブレイクの時間を設けることが義務づけられていることが影響していると思うが、寒冷地であることも関係しているのだろう。
お茶に関しては、統計データによって相違があるが、日本茶業中央会の調査では、クウェートがダントツで、お茶好きが多い日本の2倍も飲んでいる。2位はアイルランド、3位はイギリスと、紅茶好きで知られる国が続く。総消費量でいえば、人口の多い中国とインドが二強となる。