●衆議院副議長秘書 神田信浩さん
←1961年生まれ。大学卒業後、自由民主党本部に11年間勤務し、衆議院副議長である衛藤征士郎代議士の秘書に。清和政策研究会(町村派)の秘書会長も務める。
国会議員、しかも衆議院副議長の秘書ともなると、その業務は多忙を極める。仕事内容は、議員の日程調整から、公務、政務のサポート、さらには支援者への対応と多岐にわたる。議員の代理で様々な会合に出席することもあるという。
過密なスケジュールを管理するため、さぞや分厚い手帳を使っているのではと思いきや、見せていただいたのは、コンパクトな『自由民主党手帳』だった。見開きで1週間のシンプルなタイプだ。「使いやすい手帳だと思っていますが、特に機能で選んだわけではありません。自民党本部に勤務している時代から、ずっとこれを愛用しています」
見せてもらった8月27日~9月2日は、国会が終盤を迎え、参議院では問責決議案が提出、自民党では総裁選を控え、解散総選挙の声も聞こえ始めてきた慌ただしい1週間だ。走り書きのような文字には緊迫感も感じられる。
●大事な情報を外部に漏らさない工夫
この小さな手帳で足りるのだろうか、というのが率直な疑問だ。「秘書という仕事では、言われたことをすぐに実行するのが鉄則となります」
即行動すれば、手帳に書く必要はない。結果として、手帳にはその場で完了しなかった案件、重要なメモのみが記されることになる。そのせいもあってか、あまり具体的な内容は伝わってこない。
「デリケートな内容も扱うため、あえて事細かに書かないようにしています。人が見てもわからないようにすることもあります」
必要最低限のことを、自分にだけわかるように書くと割り切る。これで記入のスピードも大幅に上がる。最近、スマートフォンの『GALAXY Note』をスケジュール管理に使い始めたが、やはり紙の手帳は「すぐ見られる。すぐ書ける。臨機応変に使える」ことで手放せないという。
ちなみに、議員の先生はどんな手帳を使っているか尋ねたところ、
「議員は手帳を持っていない」とのこと。まさに、議員にとって秘書が一番信頼できる手帳的な存在ということだろう。